2025年6月の景気動向レポート：業界別の見通しと変化の兆し

2025年6月の景気動向レポート

企業信用調査を行う株式会社帝国データバンクが発表した2025年6月の景気動向は注目すべき情報を提供しています。全体の景気DI（景気動向指数）は42.7で、前月比0.1ポイントの僅かながらの改善を示しました。これにより、実に6カ月ぶりのプラスの動きとなったわけです。

景気DIの改善要因

国内経済は、物価の上昇により個人消費の鈍化が懸念されていますが、それにもかかわらずエアコンや医薬品、化粧品などの季節商品の需要が先取りされ、少しずつ回復してきた兆しがあります。今後の展望については、不確実性が高まっており、当面は景気が弱含みで推移することが予想されています。

業界別の動向

調査に基づくと、製造業や小売業の景況感が全体として改善されていることが分かります。しかし、アパレル業界については厳しい状況が続いています。激化している競争や消費者の購買意欲の低下が、川上から川下まで景況感を悪化させています。アパレル業界において、一層の変革が求められていると言えるでしょう。

アパレル業界の新たな取り組み

コロナ禍以降、アパレル市場は縮小傾向にありましたが最近では回復の兆しも見えています。各メーカーは、収益を向上させるためにプロセスの短縮化に取り組んでいます。在庫を抑え、セール販売に頼ることなく、利益率の高い小売販売を強化していく方向にシフトしています。また、少子化の影響もあるため、これまでの成長戦略を見直さざるを得ない状況です。

異業種からの新規参入も目立ってきており、特にインフルエンサーとのコラボレーションが注目を集めています。このような斬新な試みが、アパレル業界全体を活性化させる一助となる可能性があります。