JR東日本、ユニバーサルデザインの実証実験
JR東日本では、すべての人が心豊かに過ごせる生活の実現を目指し、ユニバーサルデザインの研究と開発を行っています。その一環として、同社は横浜駅及び立川駅において、「カームダウン・クールダウンスポット」の設置という新たな試みを実施します。これは、駅の利用者が安心して利用できる環境を整えるためのものです。
実施概要 ${'
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この実証実験は2025年10月15日から12月下旬までの期間、横浜駅と立川駅で行われます。具体的には、改札内の数カ所にカームダウン・クールダウンスポットを設け、利用者が少しの間立ち止まって気持ちを落ち着けられる空間を提供します。設置場所の詳細は、この期間中に「センサリーマップ」上で確認可能です。
センサリーマップ
「センサリーマップ」とは、駅内での光や音、においなど、五感に関する情報を地図形式で表示するもので、利用者が駅へ訪れる前に情報を取得できるようにするものです。このマップは、10月15日からウェブ上で公開される予定です。
現場での協力
本実証実験においては、ユニバーサルデザインの専門家として知られる日本女子大学の佐藤克志教授や、発達障害に焦点を当てたデザインコンサルタントである橋口亜希子氏の協力が得られています。彼らの知見を活かしながら、駅が抱える課題を解決に導くための施策が進められています。
カームダウン・クールダウンスポットとは
カームダウン・クールダウンスポットは、騒音や光、混雑などにより、不安やストレスを感じた方が一時的に心を落ち着けるためのスペースです。具体的には、駅の混雑から少し離れた場所に設けられ、何も気にすることなく、利用者がリラックスできる環境を目指します。今回は、パーテーションは設置せず、オープンな形で提供される予定です。
実証実験の目的
JR東日本の研究開発センターでは、昨年度から発達障害を視野に入れた駅環境の整備に取り組んでおり、実証実験を通じて駅に足を運ぶことが難しい方々にも、安心して利用できる環境を整えることを目指しています。駅には時に多くの音や光が溢れ、混雑も伴うため、利用者の中には駅を訪れることが難しいと感じる人も多いのが現状です。この実証実験によって、カームダウン・クールダウンスポットとセンサリーマップの有用性について検証し、今後の駅環境の改善に繋げたい考えです。
このように、JR東日本はユニバーサルデザインの進展に向けて、実証実験を通じてお客さまのニーズに応える新たな取り組みを行っています。実際にこのスペースを利用することで、様々な感情や状況に対応した駅作りの在り方が見えてくることでしょう。