今年のアフロコーンと産地ロスの深刻な現実
今年のアフロコーン生産過程において、特に注目を集めたのが「産地ロス」の問題です。この言葉は、野菜などの農作物が生産過程で廃棄されてしまうことを示しています。今年、全国から多くの人々が廃棄予定だった規格外のとうもろこしへの支援を表明しました。その結果、驚くべきことに、申込者の99.8%が継続支援の意志を持っていることが分かりました。これは、多くの日本人が農業問題に対して関心と理解を深めている証です。
今年の出荷と廃棄状況
今年は異常気象による影響で、アフロコーンの出荷時期が例年より1週間早まることになりました。この気候変動の影響により、農家は約70%のとうもろこしが廃棄される事態に直面しました。過去の実績では、おおよそ3割の肥料が虫食いや腐敗によって出荷できなかったのに対し、今年は7割という驚異的な数字になっています。
SNSで集まった支援無双
こうした状況を受けて、SNSを通じた呼びかけで一般の方々からの支援が集まりました。7月25日には、約600件の申し込みがあり、多くの人々が農業の現状や「産地ロス」問題について理解を深めている姿が印象的でした。申込者の98%が、今後も支援を続けたいと回答しています。この数値は日本の農業界に明るい光を照らしていると同時に、課題の意識が高まっていることの証でもあります。
日本が抱える「産地ロス」問題
実は、日本では年間約523万トンの食品ロスが発生しています。しかし、現在の食品ロスの定義には、畑で廃棄される「産地ロス」が含まれていないのが現実です。政府は2023年度までに食品ロスを半減することを目標に掲げていますが、実際には飲食店や小売店に焦点を当てており、農家で発生する廃棄には手が回っていません。この点が農業従事者の減少や食品廃棄物の問題を呼び起こしています。
アフロコーン生産者の思い
へネリーファームの坂尾英彦さんは、持続可能な農業の重要性と、「産地ロス」を減少させるための新たな取り組みが必要だと語ります。「人間は食べずに生きていけるのでしょうか?生産者のみが農作物を作り続けるべきなのか?」そんな疑問が彼の中で大きくなっています。
しかし、現実として農作物の価格設定が農家にとってどれほど難しいか、またその価値を理解している消費者が少ないことに課題を感じています。坂尾さんは、ただ農業をするだけではなく、生産者と消費者の境界を壊し、共に新たなコミュニティを築くことが重要だと考えています。
「アフロコーンスタディツアー」の開催
来年度に向けて、坂尾さんのへネリーファームは「アフロコーンスタディツアー」を企画しています。このツアーでは、参加者が実際にアフロコーンの生産から収穫までの工程を体験し、自ら育てた作物を大切な人に贈ることができる機会を提供します。生産者とのコミュニケーションを大切にしつつ、農業や食品の未来について共に考えることができる貴重なチャンスです。
未来への道
産地ロス問題に対する関心が高まり、多くの人が支援に立ち上がっています。このような活動が広がることで、農業と消費者の関係の改善が期待できます。私たち一人一人がこの問題に関心を持ち、行動することで、持続可能な農業の未来が開かれていくことでしょう。私たちも、食の大切さや農業に新たな視点を持つ時が来ています。