月面探査に向けた新たな水精製技術の開発をクリタが推進
月面探査に向けた新たな水精製技術の開発
栗田工業株式会社が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」に見事に採択されました。この成果は、月面探査の重要な一歩として注目されています。
月面経済圏構築の重要性
近年、宇宙関連の研究開発が進展し、月面における経済圏の構築が現実味を帯びてきています。特に、アメリカではNASAを中心とした「アルテミス計画」が進行中で、日本においてもJAXAが提唱する「日本の国際宇宙探査シナリオ」に基づく持続的な探査が模索されています。これらの取り組みは、有人火星探査を視野に入れた国際的な宇宙開発の礎となるものであります。
水精製の役割
月面での探査活動では、宇宙機が推進剤として必要とする液体酸素や液体水素の生成が課題です。そのため、月面レゴリス(月の表面に存在する細かい堆積物から)から水を抽出し、それを精製する技術が求められています。栗田工業の今回の採択事業は、月面での水の精製と電気分解プロセスに関する様々な要素を実験し、未来のプラント建設技術の基礎を築くことを目的としています。
研究内容の概要
栗田工業は、月面レゴリスからの水の抽出及び精製に関する以下の3つの研究を実施します。
1. 水精製及び電気分解プロセスに関する技術課題の特定:探査に必要な水の精製プロセスで直面する課題を識別し、将来的な実証計画を検討します。
2. 電気分解槽の純水度調査:精製された水がどの程度の純度を保つかを調査・検討し、電気分解に必要な水質を確定します。
3. 不純物を含む水の精製実験:実際に、様々な不純物を含んだ水を使って実験を行い、精製プロセスの実効性を検証します。
宇宙開発に向けた取り組み
クリタ工業は長年にわたり水処理技術に関する経験を蓄積してきました。今回の取り組みは、国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙向け水再生システムの実証試験に基づいており、これまでの技術を宇宙分野に応用することを目指しています。また、同社は官民協力のもと、持続的な宇宙プラントの構築に向けたさまざまな技術開発を通じ、人類の宇宙探査に貢献する計画です。
未来の展望
クリタグループの研究開発成果は、地球上の社会や産業の課題解決にも貢献できる内容となるでしょう。持続可能な社会の実現に向け、地球と宇宙双方での技術の適用が今後ますます重要となります。2024年度末にはJAXAに結果を提出する予定ですので、今後の進展が非常に楽しみです。
このように、栗田工業の取り組みは、技術の進歩と共に新たな宇宙時代への扉を開いています。
会社情報
- 会社名
-
栗田工業株式会社
- 住所
- 東京都中野区中野4丁目10番1号 中野セントラルパークイースト
- 電話番号
-
03-6743-5000