教職員アンケート結果発表!授業コマ数の現状と理想を探る
2023年9月から12月にかけて実施された「School Voice Project」の調査では、全国の教職員が授業の持ちコマ数の多さに対し、重い負担を感じている様子が明らかになりました。この調査は教育改革に向けた取り組みの一環として実施され、さらに文部科学省が発表した「教師を取り巻く環境整備 総合推進パッケージ」においても、具体的な目標が提示されましたが、実際の現場では教員不足の影響で授業の質が脅かされています。
1. アンケート概要
2024年9月に再度実施されたアンケート調査では、小中高等学校の教職員から、授業コマ数についての意見を収集しました。調査対象は、全国の一条校に勤務する教職員で、107件の回答が寄せられました。今回の調査内容には、授業コマ数の現状や理想とされるコマ数が含まれています。
2. 教職員が抱える現状
アンケート結果によると、小学校教員の74%が週に20コマ以上を担当し、特に25コマ以上を担当する割合が38%に達するなど、負担感が増していることがわかります。中学校では21コマ以上を担当する教員が33%にまで増加し、高校では55%が16コマ以上を担当するという結果でした。
この傾向から、児童・生徒への充実した教育が難しい現状が浮かび上がります。実際に、25コマ以上を担当している教員の78%が「授業が充実できていない」と回答しており、特に小学校の教員からはこの問題に対する声が多く寄せられました。
3. 理想とされる授業コマ数
理想とする授業の質を維持するために必要なコマ数については、小学校教員の71%が「15-19コマ」を望んでいるとの答えが得られました。中学校では54%、高校では77%の教員が「10-14コマ」を選択しています。これにより、教員は負担軽減のためにコマ数削減を望んでいる意志が強いことが確認されました。
4. 教職員からの多様な意見
調査の自由記述では、教育内容の見直しや総時数の削減を求める声が多く上がっています。「時代に合った学習内容を精選する必要があり、今後のプログラミング教育や道徳の教科化など増える学習項目に対し、他分野の授業内容の見直しが求められる」との意見や、「教員の働きやすさと生徒の学びやすさを両立させるためには、授業日時を見直す必要がある」との意見がありました。
さらに、教員の負担軽減策として、専門教科を専科の教員に委ねることや、会議の時間を削減することが提案されています。このように、多くの教員が教育現場の環境改善に対し、切実な思いを抱いていることが伺えます。
5. まとめ
今回の調査結果は、小学校教員のコマ数が特に多いこと、そして授業の質を維持するためにはなにが必要かという点を示しています。教員の心身の健康を保ちながら、授業の質を向上させるためには、教育現場の運営について再考する必要があると言えるでしょう。教育制度がこれからどのように進化していくのか、関係者の意見と現状を見据えた改善策が求められます。