大企業が外部委託エンジニアを求める理由
2025年、日本の大企業は外部委託エンジニアの獲得に対する意欲が大幅に高まっています。これは、株式会社Branding Engineerが運営するフリーランスエンジニアと企業のマッチングサービス「Midworks」による調査結果から明らかになりました。
調査対象は、従業員数500名以上のシステム開発を行う大企業の経営者・役員319名で、2024年に実施された同様の調査と比較されています。結果として、外部委託エンジニアへの求人意欲は70.9%に達し、昨年から14.3ポイント増加しました。
この傾向はAI技術の進展と深く関わっています。具体的には、86.5%の企業がAI活用に苦慮しており、そのすべてが迅速な実務経験を持つ人材を求めているのです。
企業が求めるエンジニアの年齢層と経験年数
外部委託エンジニアに求められる年齢層は依然として「30代」が最も多く、50.9%を占めています。また、経験年数に関しては「5年〜10年未満」の人材が33.1%を占め、経験豊富な人材を好む傾向が見えます。これは、企業が急速に進化するテクノロジーに対応するためには即戦力となるエンジニアが不可欠であることを示しています。
スキルと契約形態の変化
調査では、外部委託エンジニアに求めるスキルとして、「システム開発」が71.2%と最も高かったことが明らかになりました。しかし、特に目を引くのは「コンサルティング/PM」が40.3%に達したことで、企業は技術的スキルだけでなく、プロジェクト管理能力も重視しています。
契約形態については、48.7%の企業が「派遣/準委任のどちらでも可」と回答しており、昨年から5.8ポイントの増加が見られます。これは、柔軟な労働形態を求める企業のニーズを反映しているのかもしれません。
募集人数と報酬の増加
エンジニアの募集人数も大きな変化を見せており、31人以上の募集を行いたい企業は31.4%に達しました。この結果は、昨年の3.3%から28.1ポイントの大幅な増加を示しています。企業は大規模なプロジェクトを見据えた体制を構築している可能性があります。
一方で、提示する月額報酬も増加しており、68.5%の企業が「80万円以上」の報酬を設定する意向を示しました。これは昨年の29.0%から39.5ポイントの増加です。
AI活用と人材に対する要求
AI活用への取り組みが進む中、約9割の企業がAI活用に注力すると回答し、その中でも「ChatGPTなど生成AIツールの業務利用推進」が45.8%で最多でした。即戦力として活躍できる実務経験は、58.7%の企業が求める要素となり、企業が求める人材像が次第に明確化しています。
これは、テクノロジーの進化によって、高度なスキルを求められる職場環境において、即効性のある人材が重要になることを物語っています。企業は、内製化や研修だけでは対応しきれないスピードで市場が変動していることを実感しているようです。
まとめ
今回の調査結果から、日本企業が外部エンジニアに対する投資意欲を強めていることが明らかになりました。特に、AI技術の活用が進化する中で、即戦力となる人材をいかに確保するかが今後の企業成長に不可欠であることが示されています。専門性を持つ外部エンジニアの活用は、企業の競争力を維持し、加速させるためのキーポイントとなるでしょう。
また、コロナパンデミック以降の仕事環境の変化も影響して、多様な働き方を実現するための外部委託エンジニアの存在感がますます重要性を増しています。前述の通り、フリーランスエンジニアと企業のマッチングを行う「Midworks」のようなサービスを利用することで、企業もエンジニアも新たな可能性に巡り合うことが求められています。