兵庫県の自治体DX推進が急成長
兵庫県が2024年から2025年の公務員ビジネスサービス依頼数で、前年の3.3倍に達し、全国で2位に急成長したというニュースが報じられました。これは、少子高齢化や人材不足、さらには職員のメンタルヘルス問題の深刻化といった現状を背景に、自治体のデジタル化を急いで進める必要性があるからです。
自治体DX推進の背景
政府は2021年にデジタル庁を設立し、行政業務のデジタル化を重要課題にしています。この方針を受けて、兵庫県は地域DXを実現すべく「スマート兵庫戦略」を策定。また、地域の自治体が協力して進める「市町DX支援パッケージ」も立ち上げ、着実に枚数を増やしてきました。これにより、2023年度のビジネスサービス依頼数は前年比330%という驚異的な伸びを見せています。
自治体が選ぶビジネスサービス
特に注目すべきは、ワークフローシステムの導入です。自治体の多くが業務の電子化を求めており、業務効率の向上を目指しています。データによれば、70%以上の自治体が紙から電子への移行を希望しているということで、これによって時間の短縮と業務の可視化が実現できます。
次に目を引くのがクラウドPBXの導入です。このサービスは、通話の録音や内容の文字起こしといった便利な機能を提供し、職員の保護と住民対応の質を両立させる役割があります。特に電話業務において、こうしたデジタル化は不可欠と言えます。
DX推進の課題と県の取り組み
兵庫県企画部では、地域DXに向けた取り組みを進めており、人口減少や地域の持続可能性を高めるために、自治体の運営効率化が重要な課題とされています。また、DX推進のための支援体制を県と市町の連携によって構築しており、専門的な相談も受け付ける機関を設置しています。
議論の中で、デジタル改革課の能本達生氏と上野健全氏が、「今回の全国2位という結果は、県と市町が連携して取り組んできた成果だ」と述べており、引き続き市町との連携を深化させることが不可欠であると強調しています。
今後の展望
兵庫県では、ノーコードツールや生成AIの活用も進めています。特に、職員が自ら業務アプリを作成できる環境を整えつつ、生成AIを利用した新たなサービスの展開にも取り組んでいます。オンラインでの手続きが進む中、2025年度には70%の利用率を目指すという目標も掲げています。
このように、自治体のDXや業務改革は、効果が現れ始めており、今後の取り組みが期待されます。兵庫県の事例を通じて、地方自治体におけるデジタル改革がどれほどの影響を及ぼすのか、今後の動向に注目が集まります。これにより、地域住民へのサービス向上や職員の働きやすい環境づくりが進むことが大いに期待されます。