育児中のママ・パパが求める周囲の理解とサポートの現状

ピジョン株式会社が2024年に実施した育児に関する調査は、全国のママ・パパ1,000人を対象に行われ、その結果が注目を集めています。この調査では、育児中の親たちがどのような苦労を感じているのか、そして社会がそれに対してどのように理解を深めていく必要があるのかが明らかになりました。

育児の実情と親たちの苦労

調査によれば、46.0％のママ・パパが「夜泣きによる睡眠不足」を最も大きなストレス要因として挙げています。また、44.4％の人々が「自分の時間を確保できない」とも回答し、親としての役割を果たすことが精神的な負担につながっていることが浮き彫りになりました。ほかにも、体調管理や家事との両立に関する悩みも多く寄せられています。

「お出かけ」は、さらなる苦労の場でもあります。85％以上のママ・パパが外出時に感じる不便さに対して「荷物が多い」(46.3％)や「赤ちゃんが公共の場でじっとできない」(41.4％)といった物理的な苦労が主な原因とされています。

周囲の協力とその重要性

育児において、64.4％のママ・パパが周囲からの配慮やサポートを嬉しく感じた経験があると答えています。しかし、実際にその体験を「よくあった」とする答えは16.2％に留まるため、周囲の協力はまだまだ限られていると言えます。

ママ・パパが特に嬉しかった瞬間として挙げられるのは、赤ちゃんが泣いたときに「微笑みかけてもらった」り、「静かに見守ってもらった」ことです（24.6％）。また、赤ちゃんを抱えているときにドアを開けてもらうなど、具体的な手助けも高く評価されています。

これからのサポートとして期待されることには、赤ちゃんが泣いたときに優しく接してもらったり、ベビーカーが通れるような道を譲ることが多く挙げられています。

育児に関する理解の必要性

調査の結果、88.4％のママ・パパが育児に対する理解が地域や社会でさらに必要であると感じています。意外なことに、61.0％の親たちは、赤ちゃんが生まれる前と後での育児に対するイメージにギャップがあったと感じており、実際の育児に対する期待と現実の間に大きな差があることを示しています。

ピジョンの取り組み

このような状況を打破するため、ピジョン株式会社は2021年9月から、中学生を対象に「赤ちゃんを知る授業」を実施しています。この授業は、育児を理解することの重要性を教えるだけでなく、育児中のママ・パパの悩みやそれに対するサポートのあり方を学ぶ機会を提供しています。

授業の中では、赤ちゃんの日常や行動の特徴について学び、受講生が周囲の人々にできる具体的なサポートについても考えを巡らせる内容が盛り込まれています。実際に、授業を受けた生徒たちは赤ちゃんや育児についての理解が深まったと感じ、多くの生徒が今後の行動に活かしたいと考えていることが明らかになりました。

今後も、育児に対する理解を広げる取り組みが求められます。社会全体が赤ちゃんとその育て方に対して関心を持つことで、ママ・パパが少しでも育児を楽しむことができる社会を築いていくことができるでしょう。