近年、燃焼プラントでの灰の高温付着に関する技術が重要視されています。この課題に対して、産業技術総合研究所と東京農工大学、三機工業株式会社などが共同で取り組んできた新技術が注目を浴びています。新しい技術は、従来の化学的アプローチと独自の物理的アプローチを組み合わせたもので、効率的かつ安定した燃焼プラントの運転を可能にします。具体的には、灰粒子を薬剤でコーティングすることで、付着性を効果的に抑制する方法です。
優れた燃焼プラントの運営には、効率的なエネルギー回収が欠かせませんが、灰の付着はその効率を低下させ、プラントの腐食を引き起こす要因となります。特に、下水汚泥やバイオマスの燃焼に関連したプラントでは、リンを含む灰粒子が多く、容易に高温で付着することが問題視されています。そこで、科研グループは化学的な反応と物理的な粒子径の拡大を組み合わせて、灰の高温付着性を83%低下させることに成功しました。
今回の技術では、鉄系薬剤を利用し、粉体層強度という指標で付着性を評価しました。高温条件下において、粉体層の引張強度を測定する独自の装置を用い、付着性の定量化を行いました。化学的反応によって融点の高い成分を生成させ、物理的に灰の粒子径を大きくすることで、付着を抑えることができました。
今後は、この技術の実用化に向けて、下水処理場での薬剤の添加方法の最適化や、灰の資源化にも取り組む予定です。この取り組みで、燃焼プラントの効率化、さらには社会貢献につながることが期待されています。研究の成果に関しては、「Chemical Engineering Journal」に掲載されており、詳細な数値データも公開されています。