キョウデンの革新技術
近年、5Gおよび6G通信技術の進展により、基地局用パワーアンプやモジュール部品の放熱対策が急務とされています。ここで注目されているのが、株式会社キョウデンが開発した新しい高放熱高周波基板です。この技術は、従来の基板では難しいとされていた高放熱と高周波特性を両立させるものです。
開発背景
5Gや6Gの普及に伴い、通信機器の性能向上が求められています。「高放熱」と「高周波」の要求は、特にパワーアンプやパワーモジュールにおいて重要です。従来のアルミ基板や銅ベース基板では、放熱性能や高周波特性に限界があり、多くの課題が残されていました。特に、銅インレイや銅コイン基板では、加工の手間やストレスによる信頼性が懸念され、薄型部品への対応も困難でした。
キョウデンの技術
そこで、キョウデンは「高速厚銅めっき」技術を駆使して、これらの課題を克服した新しい基板を開発しました。この基板は、放熱部品を基板に直接搭載することが可能で、厚銅めっきによって放熱効果を最大化しています。具体的には、
- - 放熱部品の形状に関わらず対応できること
- - 0.4ミリ以下の薄板部品基板でも使用可能
- - 厚銅めっきによる新たなビルドアップ層構成に対応
といった特性を持っています。
検証と信頼性
この新基板は、様々な信頼性試験をクリアし、その性能が裏付けられています。例えば、260℃のホットオイル試験を100サイクル行った場合や、極端な温度変化を再現した冷熱衝撃試験などが実施されました。これにより、キョウデンの基板は高い信頼性を持つことが確認されています。
放熱の優位性
厚銅めっき構造が持つ放熱の優位性についても、シミュレーションや実機検証により明らかになりました。具体的には、chip直下のPCBに厚銅めっきVIAを適用することで、放熱速度が改善されることが実証されています。これにより、5G/6Gの通信機器における基盤技術として、キョウデンの新型基板は大きな期待が寄せられています。
まとめ
キョウデンの高速厚銅めっき工法による高放熱高周波基板は、近未来の通信技術に向けた重要な一歩といえるでしょう。これにより、次世代通信インフラのさらなる進化が期待されます。今後の展開に注目が集まっています。