世界最大級のデジタルマテリアルライブラリーが日本に上陸
米国カリフォルニア州の
swatchbook Inc.が、今回日本法人である
swatchbook合同会社を設立しました。この新たな拠点では、繊維素材の3Dデータを活用したプラットフォームを提供し、業界全体のサプライチェーンの再構築を目指します。これは、ファッション業界において無駄を削減し、効率的な資源の運用を実現するための壮大な挑戦です。
創業の背景と成長の歩み
swatchbookは2017年に設立され、多年にわたり3D業界での経験を持つヤザン・マルコシュ氏が中心となり、その活動がスタートしました。彼の意識には、ファッション製品の製造において発生する無駄を減らすという強い思いがあり、この問題に取り組むために新たなビジョンを持ちました。その後、数多くの大手小売業者やブランドが抱えるニーズに応える形で、swatchbookのプラットフォームが発展しました。現在では、
ニューバランス、
アディダス、
ターゲットなど、約30から40の著名ブランドと170以上のサプライヤーが参加しています。
公共性をキーワードにした活動
swatchbookが追求するキーワードは「公共性」です。彼らは、業界の国際的インフラを目指し、自社のプラットフォームを通じて資源の無駄を大幅に削減できる仕組みを提供しています。具体的には、デジタルマテリアルライブラリーを活用することで、サンプル作成にかかる資源と時間を大きく短縮できるのです。
先進的なデジタルプラットフォーム
swatchbookでは、現在10万点以上の繊維素材の3Dデータを保有し、最新のセキュリティ基準を満たすITインフラを通じて、各ブランドとのデータ共有が可能です。また、Appleと共同で開発したiPad専用アプリにより、リアルタイムでのレンダリングが可能とされており、移動中でもアクセスできる便利さが特徴です。ブランド側は、生地の特性やデザインを視覚的に確認したり、VR技術を使って拡張現実で体験することもできます。こんな未来的な取り組みは、他の業界にも波及する可能性を孕んでいます。
日本市場への期待
新たに設立されたswatchbook Japanでは、日本国内のテキスタイルサプライヤーが事業の重要な役割を果たします。具体的には、
株式会社ヤギ、
瀧定名古屋株式会社、
株式会社サンウェル、
株式会社岡本テキスタイルなどの企業がサプライヤーとして参加し、3DCGモデリングの制作を手掛ける
株式会社FMBも協力企業として名を連ねています。マルコシュ氏は、「日本は無限のイノベーションの機会を提供してくれる」とのコメントを寄せており、日本市場への期待感が伺えます。
今後の展望とサービス
swatchbookは2023年9月に日本にサービスセンターを開設予定です。このサービスセンターでは、テキスタイルサプライヤーから提供されたマテリアルをスキャンし、3Dデータ化する過程が実施されます。物性データやビデオも含まれた、完成度の高いパッケージデータを作成します。また、日本国内の様々な企業を対象に、サブスクリプションサービスの拡大も図られています。これにより、ファッションやフットウェア業界における新しいビジネスモデルの可能性が広がります。
swatchbookの活動は、業界の効率化と革新に大きく寄与することでしょう。今後の展開から目が離せません。
サポートや問い合わせについては、swatchbook合同会社の広報担当(藤代愛)までご連絡ください。メール:
[email protected]、電話:03-6860-8564。