最新技術がもたらすFRAMの進化
富士通が新たに開発した4MビットのFRAM(強誘電体メモリ)は、125℃という高温環境下での動作を可能にし、低消費電力と驚異的な書き換え耐性を実現しています。この新製品は、主に先進運転支援システム(ADAS)や産業用ロボットに最適な不揮発性メモリとして位置づけられています。
FRAMの特長とその優位性
FRAMは、従来のEEPROMやフラッシュメモリと比べて、以下の3つの特長を持つことで差別化されています:
- - 高書換え耐性:驚異の10兆回の書き換えを保証。
- - 高速書き込み:リアルタイムなデータ処理が可能。
- - 低消費電力:環境に優しいシステム設計の実現。
このFRAMは、20年以上の量産実績を誇り、近年ではウェアラブルデバイスやドローン、そして産業用ロボットにも導入されています。これらの新技術により、各業界での更なる発展が期待されています。
高温環境での信頼性
新しい4MビットFRAM「MB85RS4MTY」は、前年度発売の2MビットFRAM「MB85RS2MTY」の成功を引き継ぎ、高温環境での信頼性を更に向上させた製品です。動作電源電圧は1.8V~3.6Vの範囲にあり、最大4mA(50MHz動作時)の消費電流を維持することで、パワーダウン時の最大消費電流はわずか30μAと、エネルギー効率が高いのが特長です。
この記憶装置は、-40℃から+125℃の温度帯で動作し、リアルタイムのデータ記録が求められる幅広い用途に対応しています。例えば、0.03ミリ秒毎にデータを書き換えたとしても、同じアドレスに10年間記録し続けることが可能です。これにより、信頼性が求められる現場でのデータ保持が確保されます。
互換性とサイズ
新製品は、EEPROM互換の8ピンSOPパッケージに加えて、小型でスリムなリード無し8ピンDFNパッケージでも提供されています。このデザインは、限られたスペースにコンパクトに収める必要がある多くのアプリケーションに最適です。
未来の展望
FRAMは、今後も新たな技術革新を続け、お客様のニーズに応じた最適なメモリソリューションを提供することを目指しています。富士通セミコンダクターメモリソリューションは、さらなる価値向上を図り、顧客満足度の向上へ貢献する 製品開発を進めていくことで、未来の技術基盤を支えていくでしょう。
主な仕様
- - 製品名: MB85RS4MTY
- - 容量: 4Mビット(512K x 8ビット)
- - インターフェース: SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)
- - 動作周波数: 50MHz(最大)
- - 動作電源電圧: 1.8V~3.6V
- - 動作温度範囲: -40℃~+125℃
- - 書き込み/読み出し保証回数: 10兆回
- - パッケージ: 8ピンDFN、8ピンSOP
更なる詳細は、
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