CO2リサイクル研究の成果
2022-10-07 10:00:02
カーボンニュートラル実現へ!革新的CO2リサイクル研究助成の成果報告会
カーボンニュートラル実現に向けた挑戦:革新的CO2リサイクル研究の成果報告
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、その鍵となるCO2リサイクル技術の社会実装を推進する一般社団法人カーボンリサイクルファンド(CRF)は、2021年度の研究助成成果報告会を開催しました。
本報告会には、会場に約50名、オンラインで約100名が参加し、活気ある議論が交わされました。CRFは、会員からの寄付金によって、年間約1億円規模の研究助成を、カーボンリサイクルに関連する独創的なアイデアを持つ研究者(チーム)に提供しています。助成金の上限は1,000万円で、2年以内の研究期間を想定しています。
報告会では、2021年度に助成を受けた研究者による成果発表が行われました。発表内容は、研究成果だけでなく、社会実装に向けた課題やCRF会員との連携についても触れられており、参加者からは活発な質疑応答が寄せられました。
特筆すべきは、4件の研究がNEDO事業やグリーンイノベーション基金事業などに採択されたことです。これは、CRFの助成活動が、社会実装につながる実質的な成果を挙げていることを示しています。
注目すべき研究成果
いくつか特に注目を集めた研究成果を紹介します。
廃海水と生体アミンを用いた新たなCO2鉱物化法の開発(安元剛講師): 海水を原料としたバイオミメティックなCO2鉱物化法という世界的に見ても例を見ない革新的な手法です。NEDO事業への採択に加え、環境省の環境研究総合推進費によるDAC(直接空気回収)への適用開発研究も進められています。
超効率的なCO2利用ポリウレタン原料製造法の開発(竹内勝彦氏): 毒性の高いホスゲンを使用する従来法に代わる、カルバメートを利用した製造法の開発です。圧力と反応時間の短縮に成功し、東ソー株式会社と三菱ガス化学株式会社によるグリーンイノベーション基金事業の一環として、社会実装に向けた研究開発が進められています。
低コストCO2フリー水素製造に向けたCO2吸着剤の開発(犬丸啓教授): 電源開発株式会社との共同研究で、石炭ガス化複合発電プラントなどの高温高圧排ガスからCO2を直接回収する新規吸着剤の開発に成功しました。JST未来社会創造事業の中で更なる研究開発が進められています。
CRF研究助成の特徴
CRFの研究助成は、以下の特徴を持っています。
組織を問わない幅広い研究対象: ネガティブエミッション分野や社会科学など、カーボンリサイクルに関する広範な研究を対象としています。
会員からの寄付金による運営: 会員企業、個人、地方自治体、学術機関からの寄付金によって運営されている独自の助成制度です。
簡素化された申請手続き: 申請書類や経理処理の簡素化により、研究者にとって負担の少ない制度設計となっています。
アイデア重視の評価: 実績よりも独創性や革新性を重視した評価を行い、研究者の自由な発想を尊重しています。
研究成果の権利帰属: 研究成果や特許などの権利は、研究者に帰属します。
未来へ向けた展望
CRFは、今後も研究助成活動を継続し、CO2リサイクル分野における研究者の発掘・育成、そして社会実装に向けた取り組みを加速させていきます。本報告会で示された成果は、カーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
一般社団法人カーボンリサイクルファンド
- 住所
- 東京都港区西新橋2-34-7第一三須ビル3階
- 電話番号
-
03-6432-0011