新たなVR技術を活用した安全教育装置「セーフマスター」
株式会社ソリッドレイ研究所は、2020年6月8日、全面的にリニューアルされた危険誘発体感装置「セーフマスター」を発表しました。本装置はVR技術を通じて安全教育の効果を高めることを目的として開発されています。
会社の紹介とVR技術への取り組み
ソリッドレイ研究所は1987年に設立され、以来34年間にわたりVRを専門にした技術開発を行ってきました。その主な目的は、安全教育の支援や、新しいアミューズメント技術の開発などです。特に近年では、VR技術の社会的な活用に注力しており、より効果的な教育手法の構築に努めています。
セーフマスターの開発背景
「セーフマスター」は、旧バージョンが2006年に開発されたことを受けて生まれました。製造業における労働災害は、過去15年間で約30%減少しています。この背景には、安全教育の強化があるとされ、安全な労働環境をつくるための教育ツールとしてのニーズが高まっています。「セーフマスター」は、これらのニーズに応える形で新たに開発されました。
製品の特長
「セーフマスター」は、参加者が意図的に作り出された危険な状況を体験できる設計になっています。具体的には、以下のような特長があります。
- - リアルな錯覚体験: VR技術によって、自身の手が事故に遭うという感覚をリアルに体験できます。これは、CGで表示される手と実際の手が一致することにより引き起こされる現象です。
- - 簡易な操作性: セットアップはシンプルで、ボタン一つで稼働させることができます。また、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が筐体に固定されているため、装着の手間がいりません。
- - 高い臨場感: 高解像度(2880×1600pixel)の立体映像と広視野角(対角110度)を実現しており、参加者は実際の災害シーンにいるかのような感覚を持つことができます。
機能とコンテンツ
本装置には、以下の3つの災害事例を基にしたコンテンツが用意されています。
1.
清掃編(巻き込まれ災害)
2.
金属プレス編(挟まれ災害)
3.
液抜き作業編(被液災害)
また、顧客の要望に応じて、様々な災害事例コンテンツの追加が可能です。
今後の展望
本製品は、製造業の労働災害防止教育、過去の災害の追体験、及び技能の伝承など、多岐にわたる用途に利用されることが期待されています。ソリッドレイ研究所は、初年度50台の販売を目指し、教育現場への普及を図る考えです。
会社概要
- - 会社名: 株式会社ソリッドレイ研究所
- - 設立: 1987年
- - 所在地: 神奈川県横浜市鶴屋町
- - 代表者: 神部勝之
- - 公式ウェブサイト: ソリッドレイ研究所公式
「セーフマスター」がもたらす新しい安全教育の形が、多くの企業での災害防止につながることを期待しています。