島津理化の新たな試み:AR技術による給排気制御設備の可視化
株式会社島津理化は、実験室の給排気制御設備に関する新しい模型とAR(拡張現実)システムを開発しました。このシステムによって、実物の大規模な設備を使用せずとも、コンパクトな形で実際の給排気の流れをわかりやすく確認できるようになっています。
ARによるリアルタイム表示
このシステムでは、ユーザーがタブレットをかざすことで、給排気システムの動作原理や空気の流れがリアルタイムで表示されます。これにより、複雑な空調制御の概念を視覚的に理解する手助けとなっています。特に、視覚化のプロセスが強化されることで、従来の方法よりも直感的に情報を受け取ることができます。実演動画も公開されており、実際の操作感やシステムの効果をより詳しく体感することができます。
実演動画はこちら。
3つのシーンで給排気を体験
システムには、「排気のみ極陰圧状態」、「給気+排気全稼働状態」、「給気+排気給排気コントロール」の3つのシーンがあり、ユーザーはそれぞれの状況をARで確認できます。この3つのシーンを通じて、実際の運用とその成果をわかりやすく感じることができます。これにより、ユーザーは給排気に関するさまざまな状態について、より深い理解を得ることができるのです。
室内環境に応じたARキャラクターの動き
興味深いのは、室内環境に応じてARキャラクターの動きや感情が変化する点です。例えば、給排気の状態に応じて、キャラクターが異なる反応を示し、よりインタラクティブな体験を提供します。このアイデアは、従来の技術と新しい技術の融合によるもので、教育や訓練の場にも非常に有効です。
特許出願中のバイパスVAV制御機能
さらに、このシステムでは特許出願中の「バイパスVAV制御機能」という新たな機能も搭載されています。この機能により、給気VAVで設定した最大風量の一部を「バイパスVAV」でOAダクトに戻すことが可能となり、給気風量だけを効果的に変化させることができます。このような複雑な技術も、ARによってわかりやすく可視化されています。
JASIS 2024での成功した展示
この新システムは、2024年9月に開催された最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS 2024」で実際に展示され、多くの関心を集めました。現在は川崎市の「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza」で常設展示されており、興味のある方々はぜひ訪れてみてください。
模型とARの新たな可能性
大規模な機器や建物の全容を確認することは非常に難しいですが、模型を使用することで特別な機材や環境を準備せずに状態を確認できます。近年、多くの分野でARが注目されていますが、模型との組み合わせでその効果がさらに高まります。このように、ARと模型の融合は、教育や訓練、プロトタイプ作成など、さまざまな分野において新たな可能性を提供します。
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株式会社ベナでは、専門の担当者が相談を受け付けており、製作の段階が決まっていない場合でも、さまざまな角度から提案を行っています。模型製作やAR、VRコンテンツに関することなど、全国どこからでもご依頼を受け付けています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
島津理化について
株式会社島津理化は、島津製作所の創業時に設立された理化学器械事業を継承し、教育現場の創造に向けたコンサルティング事業を展開しています。島津グループの一員としてさらなる進化を目指し、技術革新に取り組んでいます。
詳細については、
島津理化の公式ウェブサイトをご覧ください。