高知県の人材不足をフィリピンとの連携で解決する新たな試み

高知県とフィリピンアクラン州の連携

高知県での人材不足が深刻化する中、フィリピンのアクラン州との協力が期待されています。2024年7月24日から25日にかけて、高知県を訪れたフィリピンアクラン州のホセ・エンリケ・M・メラフロレス知事は、県知事や須崎市長と面談を行い、現地の雇用問題について真剣な意見交換をしました。

人材不足の背景

高知県では、国立社会保障・人口問題研究所が発表した予測によると、2050年までに人口が約35%減少すると見込まれています。これに対して、フィリピンは1億2,500万人の人口を抱えており、2050年には1億4,000万人に達するとされています。フィリピンでは人口過多や若年層の失業問題が深刻な課題となっており、両地域が協力することで、これらの問題に対する解決策が見出されることが期待されています。

滞在中の視察活動

フィリピンアクラン州知事は、JR四国を訪問し、保線業務を視察。日本で必要とされる職業スキルや日本語の習得について深く理解することができました。また、高知大学での交換留学制度の導入についても議論が行われ、両地域における人材育成の重要性が再確認されました。

E-MANの役割

株式会社E-MANは、今回の訪問の中心的な役割を果たしています。E-MANは、アクラン州の大学で日本語教育を支援しており、今回の協力をさらに強化していく意向です。現地の学生に日本語を教えるプログラムは既に300名の学生に提供されていますが、今回の交流を経て、3500名程度の学生の日本語学習ニーズが高まると予想されています。

高知県の取り組み

浜田省司高知県知事は、今回のフィリピンとの連携が人材不足の解消に向けて大きな一歩になると述べています。須崎市でも、アクラン州との協力によって地域の人材を育成し、求職者と企業のニーズをマッチングする仕組みが必要です。特に、地元に愛着を持つ外国人材の育成に力を入れることで、高知県での定住を促進する考えです。

今後の展望

E-MAN及び高知県は、今後もフィリピンとの協力を深化させ、人材不足解消に寄与する新たな枠組みを形成していく予定です。具体的には、日本語教育の強化に加え、労働市場へのスムーズな移行をサポートする施策を推進していく計画です。こういった取り組みが成功すれば、双方の社会課題を解決するだけでなく、国際的な交流や相互理解の促進にもつながるでしょう。

今後、高知県とフィリピンアクラン州の連携に注目です。