台湾工作機械業界の挑戦
2025-09-18 11:28:01

台湾工作機械業界が直面する危機と新たな挑戦

台湾工作機械業界が直面する危機と新たな挑戦



台湾の工作機械業界は、米国からの相互関税と元高の影響を受けて厳しい状況にあります。今号の「ワイズ機械業界ジャーナル」では、業界の最新動向と各企業の取り組みについて詳しく解説します。

台湾工作機械産業の現状


米国は、台湾製品に対して20%を超える相互関税を課しています。この影響により、台湾の工作機械メーカーは価格競争力を喪失し、輸出競争力が低下する一方、企業は週休3日制や人員削減に踏み切る状況が増えています。企業の運営継続のためには、政府による補助金やAI導入支援が求められていますが、根本的な解決には業界再編やFTAの推進が不可欠とされています。

自動車・バイク産業の動向


2025年第2四半期における自動車完成車生産額は前期比6.8%増の417億元で、バイクも同様に2.3%増の124億元となりました。特に、電動バイクは補助金の効果で87.8%増加するなどの好調な結果を示しましたが、米国関税の影響で下期は減速が予測されています。

和大工業と新たなビジネス展開


自動車部品大手の和大工業も厳しい時期を迎えています。EV向けの受注が減少し業績が低迷している同社は、半導体設備への新規参入を試みており、関連企業とのM&Aを通じて業績回復を目指しています。2026年には300台のCoWoS検査装置を量産し、TSMCやAppleからの認証取得が成否を左右するとされています。

台湾紡織機械産業の状況


台湾の紡織機械産業も重要なトピックです。2024年の生産額が前年より減少する中、家庭用・工業用ミシンや編み機は低迷していますが、染色機械は省エネと自動化技術を取り入れて競争力を維持しています。主要企業としては、高林(SIRUBA)、伸興工業、台湾ジャノメ、幸福縫衣機などが注目されています。

まとめ


台湾の工作機械産業は、米国の関税問題や元高の影響で大きな試練に直面しています。企業は人員削減や勤務シフトの見直しを余儀なくされ、政府による支援策が求められています。同時に、EVや半導体設備など新たな分野への挑戦が始まっており、変革の波が必要とされています。今後、業界全体の競争力強化に向けた取り組みが期待されます。


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会社情報

会社名
威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)
住所
中華民国台北市襄陽路9號8F富邦銀行襄陽分行大樓
電話番号

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