YKK APとHacobuが物流効率化に向けた新たな取り組みを開始
株式会社Hacobuは、YKK AP株式会社が同社のトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を全国の製造・物流30拠点に導入したことを発表しました。この導入により、両社はデータを活用して物流の効率化を図り、業界全体の改善を促進することを目指しています。
MOVO Berth導入の必要性
現在、物流業界は深刻な人手不足や長時間の労働問題に直面しており、特にトラックドライバーの過労は企業の大きな課題となっています。2024年5月から施行される改正物流関連2法により、一定規模以上の事業者に対して物流の効率化が義務付けられます。YKK APは、窓やドア、エクステリア製品を製造する企業として、独自の物流に関する問題を抱えています。製品の多様性から物流オペレーションの難易度が高く、効率化は急務とされています。
これまで同社は新型輸送パレットの開発や「首都圏DC」の新設など、さまざまな物流改革に取り組んできましたが、法的要件に応えるためにはデータに基づいた改善が必要とされました。これを受けて、YKK APはHacobuのMOVO Berthを導入し、データを蓄積・分析していくことを決定しました。
MOVO Berthの導入過程と初期成果
導入は2023年11月に開始され、2024年1月には2拠点での試験運用が行われ、その後、全国展開へと進みました。2024年9月までに全拠点への導入を完了し、5700件以上の予約と96%の予約率を達成しました。この迅速な全拠点導入は、業務フローの統一をもたらし、サービスの効果を早期に実感させる結果となっています。
荷待ち・荷役時間の改善
長時間の荷待ちや荷役時間はトラックドライバーにとって大きな負担であり、この負担を軽減するためにMOVO Berthの導入が行われました。先行して導入された東北製造所では、平均荷待ち時間が43%短縮され、手作業で行われていた管理業務もデータ化されたことで、月間43.4時間の業務削減が実現しました。これは、トラックドライバー1人あたりの業務時間の27.1%に相当します。
今後の展望
MOVO Berthで得られたデータは、今後の入出荷量の分析や人員配置の最適化に活用され、さらなる物流効率化に向けた施策が計画されています。また、YKK APはHacobuの「物流ビッグデータラボ」にも参画し、業種を超えた物流データの共有を進める予定です。
コメント
YKK APの執行役員CLOである岩﨑稔氏は、「MOVO Berth導入によって、物流がより効率的になり、データをもとにした運営の進化を期待しています」と語っています。Hacobuの代表取締役社長、佐々木太郎氏も「YKK AP様の迅速な成果を喜ばしく思っており、今後とも支援を続けます」とコメントしています。
このように、YKK APとHacobuのパートナーシップは、物流業界における新たな挑戦を示すものであり、今後の進展が期待されます。