ファイナンシャル・アドバイザー協会のモニタリング調査結果
2022年8月から10月にかけて実施されたファイナンシャル・アドバイザー協会(FA協会)のモニタリング調査が、正会員企業の「顧客本位の業務運営」の状況に関する重要なデータを報告しています。この調査は、外部有識者による審査委員会のもとで進められ、正会員企業における倫理の遵守状況や営業環境を把握することを目的としました。
調査の概要
調査期間は2022年8月から同年10月までで、対象となる期間は2021年4月から2022年3月の間です。調査はオンライン形式で行われ、FA協会の正会員企業23社から有効な回答を得ました。その結果、数値的な指標や各社の経営課題が浮かび上がっています。
調査の結果
資産収益率の現状
調査結果では、正会員企業の平均資産収益率は0.95%と、FA協会が目安としている2%を大きく下回ることが明らかにされました。この0.95%という数字は、顧客が証券会社に支払った手数料の推定金額に基づいており、各社がいかに顧客からのフィーへの移行に苦労しているかを示すものといえます。
総預かり資産と口座数の増加
一方で、正会員企業の総預かり資産は2兆円を超え、口座数も2022年3月末までに15万口座を記録しました。これはFA協会が掲げるビジョンに賛同する企業が増えていることを反映しています。
IFAの年齢構成
IFA(Independent Financial Advisor)の年齢層は主に30代から50代で、多くの者が知識や経験を有しています。若手の参加者も増加傾向にあり、世代交代の可能性も期待されています。これは、業界全体の活性化に繋がると考えられます。
経営課題の認識
モニタリング調査では、販売手数料ビジネスからフィーモデルへの移行や、収益と内部管理体制をいかに両立させるか、またIFAの高齢化への対策が重視されています。各社ともに持続可能な経営を実現するための課題が明らかになっています。
まとめ
今回の調査結果は、顧客本位の業務運営の徹底が求められる中、資産収益率が1%未満であることが非常に大きな課題です。また、フィーベースモデルへ移行するための努力を続けなければならないというメッセージも含まれています。FA協会は今後、業界の変革と発展を目指し、加盟企業のサポートを強化していく方針です。
一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会は、2020年1月に設立され、理事長の中桐啓貴氏が率いています。東京都中央区に事務所を置き、業界全体の健全な発展を目指す活動を行っています。
詳しくはこちら