ウクライナ避難民女性のデジタルスキル習得支援と就労機会拡大への取り組み

ウクライナ避難民女性のデジタルスキル習得支援

ウクライナの女性たちが日本に避難してきた背景には、ロシアによる侵攻の悲劇があります。特に、母国が不安定な状況にある中、日本に来た方々の多くは女性と子供であり、彼らに必要な支援が求められています。そこで、一般社団法人Robo Co-opは、彼女たちのデジタルスキルを高めるためのプログラムを開始しました。さらに、業務委託の形での労働機会を創出する「インパクト・ソーシング」という新しい仕組みも導入しています。

難民女性のデジタルスキル習得支援がなぜ重要なのか？

このプロジェクトにおいて、Robo Co-opが特に注目しているのがウクライナのIT業界の強みです。ウクライナは、優れたITスキルを持つ人材を多く輩出しており、デジタルスキルがあれば、リモートワークやフレックスタイム制度を活用することができます。特に子育てをしながら働く女性にとって、こうした柔軟な働き方は非常に重要です。

また、日本におけるデジタル人材の不足は深刻です。2025年までに、追加で2950万人のデジタル人材が必要とされる中（AWS, 2021）、日本は国際的なデジタル人材ランキングで63位中63位という現状です（IMD, 2020）。このような背景から、Robo Co-opではウクライナの避難民女性たちを支援することが日本社会全体にとっても大きな意味があると考えています。

なぜ業務委託（インパクト・ソーシング）を選択するのか？

「インパクト・ソーシング」とは、就業困難な人々に対して業務を委託することを指します。この手法を用いることで、さまざまな障壁を乗り越えて難民を支援することが可能になります。日本においては、直接雇用による「インパクト・ハイアリング」が割に合わない場合もあり、言語の壁や孤立感が問題となることが多いのが実情です。

一方、業務委託であれば、英語を話す環境での就労が可能となり、育成コストを抑えることもできます。例えば、経験豊富なプロジェクトマネージャーが、オフショアチームを統括し、難民の方々を育成することもできます。このように、業務委託は長期的な視点で見ても有効な選択肢になります。

企業との連携を強化する

Robo Co-opは、「インパクト・ソーシング」を通じて社会に貢献できる企業を募集中です。これまでも、シングルマザーや難民の背景を持つ人々にデジタルスキルを提供してきた実績があります。そのため、企業においてもどのように地域に貢献できるのかを一緒に考え、実行していく重要なパートナーになることが期待されます。

社会全体にインパクトを広げる

Robo Co-opは、難民移民包摂に向けた官民連携プラットフォーム「Welcome Japan」とも連携しています。このプログラムでは、DX人材としての包摂を進めつつ、経済的自立を促す働き方を追求しています。特に、様々なビジネスセクターと連携し、デジタルスキルの拡張や新たな働き方を模索することが求められています。

春には大規模なカンファレンスも予定しており、その中で新たな働き方改革やスキルポートフォリオの拡充について議論を深めていく予定です。また、米国で開発されたキャリア・インパクト・ボンドの導入に向けた動きも進めています。