限界集落根羽村の新たな希望
根羽村は、高齢化率が50%以上に達した限界集落でありながら、今、新たな光を見出しています。2020年度においては、19世帯46名が移住し、平成以来初の「社会増」を記録しました。これは、過疎化や少子高齢化という深刻な問題に対して、根羽村が多様な施策を講じ、地域の価値を再発見するために尽力している証です。
1. 過疎化と森林の未来
日本各地の源流域は、林業を始めとする基幹産業の衰退に伴い、急速な過疎化と少子高齢化に悩まされています。このまま進めば、日本中の源流域が消滅する恐れがあるため、早急な対策が求められます。特に根羽村は面積の92%が森林に覆われており、その管理と運営は地域の生存にとって重要な意味を持っています。もし森林管理の担い手が失われれば、土砂崩れなどの自然災害が下流の大都市にも影響を及ぼすことになるでしょう。
2. 新たな移住・定住施策
根羽村は、これらの課題に対処するために地域おこし協力隊や企業人を導入し、様々な施策を展開しています。2020年度には、試験的に移住や起業に挑戦できる「トライアルシェアハウス」を設置することで、移住者を増やしました。また、親子留学プログラムや地方との連携を深め、地域内での雇用と経済の循環を構築しています。山村留学では、SNSを活用した広報により申し込み数を大幅に増加させました。
3. 環境保全と地域連携の重要性
根羽村は、地元の森林資源を活用した新たな活動にも着手しています。杉材を利用した「木の布」の製作や、教育サービスの展開など、木材の多様な活用方法を探求し続けています。地元産業の六次産業化を進めることで、持続可能な地域経済の実現を目指しています。
4. 高齢者への支援と地域愛の醸成
また、地域内の高齢者に向けたタブレット教室やオンライン婚活イベントを通じて、交流の場を提供し、地域に対する愛着を高める取り組みも行っています。これにより、次世代の育成と地域の連帯感も強化されつつあります。
5. 未来を見据えた取り組み
村長の大久保憲一氏は、根羽村に住む理由を生み出すために、雇用や経済、教育といった「循環」を大切にした村づくりを進めています。地域に誇りと自信を持ってもらうためには、住民自身が積極的に地域活動に参加することが不可欠です。
根羽村は、清流と緑に囲まれた自然豊かな地域です。大都市生活から逃れたい人々にとって、この場所には豊かな暮らしが広がっています。今後とも地域の魅力を高め、新たな挑戦を続ける根羽村の未来にご期待ください。
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