一関工業高等専門学校がSBIR支援に採択
岩手県一関市に位置する一関工業高等専門学校(以下、一関高専)は、未来創造工学科の渡邊崇教授が主導する研究が、BRAINの「スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)」に選ばれました。応募総数53件の中から19件が採択される中での快挙であり、令和6年度において高等専門学校からの唯一の選出となります。
注目の若手起業家、上野裕太郎さん
このSBIR採択に際し、専攻科2年生の上野裕太郎さんが、農林水産分野の未来を担う有望な若手人材として、スーパーアグリクリエーターの候補者に選ばれました。上野さんは既に昨年度、NEDOの「ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業」で全国2位の優秀賞を受賞しており、彼の活躍が期待されています。今後、彼はSBIRのプログラムを通じて、陸上養殖業の発展やその普及に向けたビジネスを展開することを目指しています。
研究課題の詳細
課題名
「磯焼けウニの活用普及に寄与する閉鎖循環式陸上養殖システム・餌の開発」
この研究では、オゾン浄化技術を利用した閉鎖循環式陸上養殖システムを取り入れています。このシステムは、汚れた飼育水の浄化を効率的に行う一方で、有害なアンモニアの脱窒を阻害するという課題を抱えています。そこで、磯焼けの影響で駆除されてしまったウニを活用し、ウニ畜養のために最適な浄化システムと、ウニの質を高めるための餌を同時に開発する狙いがあります。最終的には事業モデルの確立を目指しています。
スーパーアグリクリエーターの取り組み
新たな制度として導入されたスーパーアグリクリエーターは、革新的な技術やアイデアを持つ若手人材を発掘し、農林水産・食品分野でのイノベーションを促進します。候補者は、研修やメンタリングを通じて自身のスキルを磨き、研究起業家としての道を歩んでいくことが期待されています。今後、上野さんもこのプログラムを通じて、業界への貢献と自己成長を目指します。
一関工業高等専門学校について
一関高専は、1964年に設立され、岩手県南部の一関市に位置する工業高等専門学校です。1学科4系を持つ本科と1専攻からなる専攻科を有し、「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」を教育理念に掲げ、地域と共に歩む信頼される学校を目指しています。今後も一関高専は、教育と研究を通じて地域の発展に寄与することでしょう。
学校名: 一関工業高等専門学校
所在地: 岩手県一関市萩荘字高梨
校長: 小林淳哉
設立: 1964年4月
公式URL:
一関工業高等専門学校
このような新たな取り組みが、地域の未来を切り開く一助となることを期待しています。