公認会計士と税理士のM&A提案に対する意識調査
最近、M&A(合併・買収)に関する実態調査が公表され、公認会計士や税理士の顧客に対してどのようにM&A提案が行われているのかが明らかになりました。この調査は、2020年11月にインターネットを通じて実施されたもので、公認会計士および税理士67名が対象です。
顧問先からのM&A相談とその対応
調査によると、顧問先からのM&Aに関する相談を受けた公認会計士・税理士の中で、約40.3%がその案件を自事務所で引き受けなかったと回答しています。その理由として、M&Aの進め方が分からないとする割合が33.3%を占め、また、外部のM&A専門事業者を紹介した割合は25.4%でした。さらに、自社で全ての業務を行ったのは14.9%、外部パートナーと共同作業を行ったのも同様に14.9%と、実質的に業務を受けない傾向が見られました。
M&Aに取り組まなかった理由
「M&Aを進められなかった理由」では、買手企業との繋がりがないことや、自社にM&Aを扱える人材が不足していることが指摘されました。経営難や企業価値の算定方法の理解不足も挙げられ、実務に対してハードルを感じている現状が浮き彫りになっています。
本当は取り組みたいM&A
興味深いことに、調査に答えた公認会計士・税理士の60%は、「実際には自社でM&A案件に取り組みたい」と考えています。その主な理由として、「収益化のチャンスを逃したくない」との声が60%で設定されています。専門家として顧問先に最良の支援を提供したいとする意見も多く、最終的には顧問先企業の存続に寄与したいという強い意志が見えます。
提案に対するハードル
一方で、自ら顧問先に対してM&Aの提案をしたいと考える公認会計士・税理士は約32.8%いますが、実際に提案を行うには「専門家としての表明ができていない」や「M&Aに関する知識が不足している」といった壁が存在します。これらの理由から、多くの専門家が踏み出せずにいる様子が調査結果からも伺えました。
M&Aのノウハウ獲得に対する意欲
さらに、M&Aの方法を学びたいと考えている専門家が64.1%にのぼることも注目すべきポイントです。具体的には、外部パートナーとの共同取り組みにも意欲を示し、ノウハウを高める支援が求められています。特に、M&Aを行う意義や実務知識に対して関心が高いことが示されています。
まとめ
この実態調査は、顧問先へのM&A提案に強い意志を持つ公認会計士や税理士が多くいる一方で、実行に移すことが難しいという課題も抱えていることを浮き彫りにしました。それにより、 M&A提案を行いやすい環境の整備が求められているといえるでしょう。形のある支援として、専門家向けのM&Aセミナーも定期的に開催され、関心を持つ専門家の育成が図られています。
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会社概要
- - 会社名: 株式会社M&Aコンサルティング
- - 設立: 2019年4月
- - 代表取締役: 松栄 遥
- - 所在地: 〒100-0005東京都千代田区丸の内1-1-3日本生命丸の内ガーデンタワー3F
- - 事業内容: 事業承継・M&Aコンサルティング
- - URL: www.mmac.cc