場の創出から始まった海の未来を考える教育プログラム
福井県大飯郡高浜町で行われた「ざわザワ高校〜海の未来を変える哲学〜#5」では、堀潤さんをはじめとする講師と高校生たちが協力し、海の未来について深く考える機会が設けられました。このプログラムは、持続可能な海の利用と保全をテーマに、海に関する課題を議論する独自の哲学的アプローチを提供しています。
1. イベントの背景と目的
ざわザワ高校は一社)福井環境研究開発が主催し、2024年11月17日(日)に開催されました。全6回を予定しているこのプログラムは、海の現状を直視しながら、地元高校生が地域の課題を理解し、改善策を考える力を育むことを目的としています。
現地の自然、歴史、文化を学ぶことにより、「高浜町らしさ」を捉え、それを高めるための提言を行うことが重要なテーマです。この取り組みは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環として、次世代に豊かな海を引き継ぐための架け橋となることを目指しています。
2. 高浜町での学び
高浜町は海と密接な関係を持つ地域で、漁業や観光業が盛んです。この町での活動を通じて、高校生たちは地域の資源を理解し、具体的なアクションプランを模索してきました。特に、講義を重ねる中で得た地元の人々との対話は、彼らの思考を深める大きな要因となりました。
3. 深められる問い
前回までの活動を通じて、高校生たちは「海と暮らし」、「日本人にとっての海とは」というテーマを掘り下げ、その中で生まれた問いに基づいてさらなる議論を展開しました。岩内先生の言葉「ぞうきんを絞って水が出ているうちはまだまだ。絞り切った後の1滴が真実に近い」という言葉は、彼らにとって深い意味を持ち、問いの本質に迫る意義を考えさせました。
4. 実地調査を通じた学び
高校生は班に分かれ、実地調査を実施しました。「海と暮らし」チームは高浜町漁村文化伝承館でのインタビューを行い、「日本人にとっての海とは」チームは漁師に直接質問を行いました。こうした活動を通じて、それぞれが持つ問いに対する答えを探し、具体的な知見を得ることができたのです。
5. 提言へ向けた思考の深化
実地調査を終えた高校生たちは、それぞれの調査から得た知識をもとに提言の構成を話し合います。具体的なアクションプランが見えてくる中で、チーム同士の意見交換が活発に行われ、「高浜町のために何ができるのか」を真剣に考える姿が印象的でした。子供たちの中から生まれる新しいアイディアは、このブログラムの成果を象徴しています。
6. 最後に…
授業を終えた後、岩内先生や堀潤さんからは今後の活動に向けた激励の言葉が贈られました。「自分の言いたいことだけでなく、聞き手の視点に立つことが大切」という堀さんのアドバイスを胸に、高校生たちは2025年に行われるプレゼンテーションに向けて準備を進めます。この教育プログラムを通じて得た経験は、彼らにとってかけがえのない財産となることでしょう。
実際に参加した高校生からは、「自分の考えがまだまだ絞り切れていなかったことがわかった」「貴重な体験を通じて感じたことを提言に反映させたい」といった前向きな声が寄せられています。福井の海とともに成長する彼らの未来が今から楽しみです。