株式会社レゾナックが発表した新たな感光性フィルム
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、AI用途を含む先端半導体製造向けに、高解像度の感光性フィルムを新たに開発しました。このフィルムは、先端パッケージの有機インターポーザーにおいて、線幅と配線間隔それぞれ1.5マイクロメートル(μm)を実現することができ、特許も取得済みです。
半導体技術は、チップ回路の微細化を進めることで、より多くの機能を一つのチップに集約し、高速な計算処理を可能にしています。最近では、複数のチップを相互接続するチップレット技術が注目を浴びています。この技術により、高機能かつ迅速なデータ処理が可能になりますが、課題も残っています。特にインターポーザーは、チップ数が増加するにつれ、面積を拡大する必要が生じ、これが歩留まりに影響するのです。
その解決策として、有機材料と銅めっきに基づいた新しい有機インターポーザーが注目されています。レゾナックが開発した感光性フィルムは、有機インターポーザー向けに最適化され、線幅や間隔を1.5μmに達成しました。このフィルムは、パネル製造プロセスに適した形状を持ち、技術革新を進める重要な材料となるでしょう。
新しいポリマー樹脂の開発
この新規フィルムの開発には、4つの事業部門の共創が関与しました。高解像度を実現するための新たなポリマー樹脂が開発され、計算情報科学研究センターのAI技術を活用して最適な設計が行われました。さらに、高分子研究所が実際の樹脂の開発を担当し、感光性材料開発部がその樹脂を用いて配合とフィルム化を行いました。
最終的には、パッケージングソリューションセンターがこのフィルムを使用して銅配線を試作・評価し、実現可能なプロセスの検証を行ったのです。これらの活動を通じて、新型感光性フィルムは、半導体製造における次世代材料としての地位を確立しつつあります。
レゾナックグループの概要
レゾナックグループは、2023年に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループの統合により誕生しました。半導体や電子材料の売上高は約3,400億円で、特に半導体後工程材料では世界ナンバーワンの企業として名を馳せています。統合に伴い、材料の機能設計から原材料の開発まで幅広く取り組み、常に技術革新を追求しています。
新社名「Resonac」は、英語の「RESONATE:共鳴」とケミストリーの「C」を組み合わせたもので、今後も共創プラットフォームを活用し、国内外の半導体メーカーと連携しながらさらなる成長を目指します。
詳しい情報は、
株式会社レゾナック・ホールディングスのウェブサイトをご覧ください。
本件に関するお問い合わせは、株式会社レゾナック・ホールディングス、ブランド・コミュニケーション部、メディアリレーショングループ(TEL: 03-6263-8002)までお気軽にどうぞ。