KENZOが戸田建設の知的財産を活用した新しいリコメンドシステムの開発に着手
KENZO株式会社は、戸田建設株式会社が保有する知的財産を基に、独自のスコアリングモデルに基づくリコメンドマッチングシステムの開発を開始しました。この新システムは、建設業界における各種サービスの付加価値を高めることを目的としています。特に、建設技能者の通勤時間の短縮や、優良な取引先の提案により、業界全体の効率化と発展を促進することが期待されています。
背景と目的
昨今の建設業界は、急速に進むデジタル変革や増加する建設投資に対し、建設技能者の数が減少しているという厳しい現実に直面しています。具体的には、2010年度には341万人存在した建設技能者が2023年度には307万人に減少し、一方で建設投資額は41.9兆円から70.3兆円に増加しています。このような状況下、KENZOはITソリューションを通じて業界の課題解決に取り組んできました。
リコメンドマッチングシステムの開発は、このようなニーズに応える画期的な試みです。KENZOが独自に開発したスコアリングモデルを活用することで、業界内に新しい価値を提供し、情報のスピードと質を高めることを目指しています。
KENZOの独自スコアリングモデルの活用
KENZOのスコアリングモデルは、データを基に建設プロジェクトの最適パートナーやリソースを評価し、選定するシステムです。このモデルを用いることで、各プロジェクトのニーズに応じた提案が可能になり、リソースの確保においても新たな選択肢を提供します。これにより、プロジェクト全体の効率を高めることが期待されています。
建設PADとの連携による新たな付加価値
リコメンドマッチングシステムは、KENZOが提供する「建設PAD」に統合される予定です。この連携により、業界内の取引を効率化し、最適な人的リソースを自動的に提案する新たな価値を創出します。これによって、優良な取引先の開拓を支援し、生産性の向上にも寄与することが期待されています。
事業による効果
この新システムは、主にゼネコンの見積・発注担当者と、専門工事会社で働く技能者にとっての利点を重視しています。ゼネコンは過去の取引評価をもとに新規取引先を検討できるようになり、リスクを最小限に抑えつつ、調達先の確保が容易になります。一方で、専門工事会社の技能者は職場移動の負担が軽くなります。これにより、ワーク・ライフ・バランスを向上させ、無駄な移動時間の削減にも繋がります。また、これらは二酸化炭素の削減にも寄与します。
斎藤寛彰氏のコメント
戸田建設のビジネスイノベーション部で課長を務める斎藤寛彰氏は、建設業界が直面する労働供給の不足などの課題に、AIやデジタルの力で貢献することへの意欲を示しています。「今回KENZOにライセンスする知的財産は、技能者に関する問題解決に役立てるために生まれました。プラットフォームとしての建設PADに実装することが、より広く業界に貢献できると考えました」と語っており、今後の展望に期待を寄せています。
今後の展開
KENZOはこのリコメンドマッチングシステムの開発を加速し、2025年内の市場投入を計画しています。今後も戸田建設を含む様々なステークホルダーとの連携を強化し、よりインパクトのある新サービスを提供する所存です。
会社概要