釣りを通じて学ぶ新たな体験型施設「KAIKENの釣り堀」
2022年9月10日、神戸のマリンピアに新たにオープンした「KAIKENの釣り堀」は、食と学びをテーマにした体験型教育施設です。この施設では、釣りを通じて海洋環境や持続可能な海の重要性を学べる体験が提供されています。
背景
2006年に発表された論文では、商業漁業の影響により2048年には海から魚が消える可能性が指摘され、私たちの食生活や海洋環境への警鐘が鳴らされました。この問題に取り組むべく設立されたのが、海洋水産技術研究所(KAIKEN)です。KAIKENの目標は、より多くの人が海に興味を持ち、身近に感じること。そのために、「釣り」という身近なアクティビティに焦点を当てました。
「KAIKENの釣り堀」の特徴
「KAIKENの釣り堀」は、海や魚に興味がある方におすすめの場所です。ルールを守り、他の訪問者とコミュニケーションを取りながら、「知る」「釣る」「調理する」「食べる」という一連の活動を体験することができます。この施設での体験は、参加者が実際に海へ出かけたり、スーパーで魚を購入し料理に挑戦するきっかけになればと願っています。
釣り堀の流れ
1.
釣る
来場者は「アジ・サバ」水槽か「未利用魚・低利用魚」の水槽を選び、本格的な釣り竿で魚を釣ります。初心者でも安心して楽しめるよう、モニターで釣りの様子を確認しながら釣ることができます。
2.
調理する
釣った魚は生きたままバケツに入れられ、スタッフが活け締めを行います。その後、ウロコと内臓を取り除き、美味しく調理する準備を整えます。
3.
食べる
調理された魚はスタッフによってソテーされ、最後は「いただきます」で味わいます。
未利用魚・低利用魚の価値
「KAIKENの釣り堀」では、通常市場に出回らない「未利用魚」や「低利用魚」も使用しています。これらの魚は、その特性から流通しにくいですが、KAIKENは提携を結ぶ漁協や漁師から仕入れ、参加者に新しい食文化への理解を深める場を提供しています。
その他のアクティビティ
「KAIKENの釣り堀」では、魚を学ぶための水中ドローン体験や、ライブ映像で水槽の中を観察できるモニタリングシステムも導入。これにより、参加者は水中にいる魚の行動をリアルタイムで観察し、釣りのタイミングを見極められます。
KAIKENのビジョン
KAIKENは、海洋や水産に特化した研究および教育の場として更なる活動を展開しています。将来的には、さまざまな実験フィールドやイベントを開催し、より多くの人々に海の大切さや魅力を伝えていく計画です。
詳細は公式ウェブサイトで確認できるので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。
公式サイト