日揮ホールディングス、タイでセメント工場排ガス利用のCCUプロジェクトを受注!CO2削減に向けた取り組みが加速
日揮ホールディングス、タイでセメント工場排ガス利用のCCUプロジェクトを受注!CO2削減に向けた取り組みが加速
日揮ホールディングス株式会社は、タイ王国のセメント製造大手サイアム・セメント・グループ(SCG)から、同社のセメント工場排ガスからのCO2分離回収・利用(CCU)設備に係る事前事業化調査(Pre-FS)を受注したと発表しました。
セメント製造は、石灰石を燃焼させる過程で大量のCO2を排出するため、電力や鉄鋼と並んでCO2排出量の多い産業として知られています。タイ王国では、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向け、セメント業界におけるCO2排出削減が喫緊の課題となっています。
今回のPre-FSでは、SCGが所有するセメント工場から排出されるCO2を大気放出前に回収し、新たな化学製品に転換するCCU設備の建設に向けた検討が行われます。具体的には、CCU技術のライセンサー選定、CO2回収設備や化学プラントの必要生産能力、経済性などの調査が実施されます。
SCGは、タイ王国を代表する企業グループとして、循環型ビジネスモデルへの転換を推進しています。本プロジェクトは、SCGが目指すネットゼロ実現に向けた戦略の一環として位置付けられています。
日揮ホールディングスは、今回のPre-FSを通じてSCGのプロジェクト実現をサポートし、将来的なEPC役務受注を目指します。さらに、タイ王国におけるCO2排出削減が課題となる他の産業に対しても、CCU関連の技術や経済性の高いビジネスモデルを提案することで、同国の脱炭素社会の実現に貢献していく方針です。
CCU技術とは?
CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)とは、二酸化炭素(CO2)を分離回収し、新たな製品や燃料などに転換する技術です。CO2を分離回収する技術は、従来から発電所や工場などの排出源で導入されてきましたが、近年では、回収したCO2を有効活用するCCU技術が注目されています。CCU技術は、温室効果ガス削減だけでなく、新たな産業創出や経済活性化にも貢献することが期待されています。
タイ王国のカーボンニュートラル実現に向けた取り組み
タイ王国政府は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」達成を目標とすることを表明しました。この目標達成に向けて、タイ王国では、再生可能エネルギーの導入拡大、エネルギー効率の向上、CO2排出削減技術の導入など、さまざまな取り組みが進められています。
日揮ホールディングスは、今回のPre-FS受注を機に、タイ王国における脱炭素化社会の実現に貢献していくことを表明しました。同社の技術力と経験が、タイ王国のカーボンニュートラル実現に大きく貢献することが期待されます。