九州から世界へ: 大学の国際化による新たな取り組み
立命館アジア太平洋大学(APU)と九州工業大学は、文部科学省が推進する「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」に採択されました。このプロジェクトは、特に2024年から2030年にかけての6年間を通じて、両大学が協力して新たな価値を生み出し、国際的な共修の促進を目指します。
プログラムの目的と方針
この支援事業では、国際化の進展を目指すと同時に、日本人留学生の派遣および優秀な外国人留学生の受入れを進めることを目的としています。これにより、大学が社会に果たす役割も教育機関に留まらず、地域と社会の持続可能な発展に寄与する「知の結節点」としての位置づけを強固にしていくのです。
事業のキーワード
1.
多様性の再定義: 国籍やエスニシティにとどまらず、年齢、ジェンダー、学修分野などの多様性を高めることで、各個人がそれぞれの特性を活かせる環境を整備します。
2.
共創による解決策の提案: 多文化共修を基盤に、実社会の課題に挑み、取り組みを進めながら、テクノロジーの活用も促進します。
3.
理論と実践の統合: 学びの現場を地域社会に拡げ、多様なステークホルダーとの連携を強化することで、実際の問題解決につなげます。
プログラムの具体的な内容
この取り組みでは、次のようなプログラムが展開されます。まず、APUと九州工業大学が協力し、22科目以上の多文化共修科目を共同で開発し、多文化環境での学びを提供します。さらに、APUの国際教育寮「APハウス」を活用して、両大学の学生が地域課題に取り組む仕組みも整備します。
また、九州地方の具体的な社会課題に対する解決型プロジェクトを進めるため、地域企業や自治体との連携も強化します。課題解決のためのプラットフォーム「LocaLink」を運営し、地域のニーズに応じたソリューションを提供することを目指します。
6つのインパクト創出のポイント
このプログラムを通じて、以下のような成果を探求します:
- - 異なる文化と協力し社会を変革する人材の育成
- - 地域社会の課題解決のためのエコシステムの構築
- - 高度専門人材のインバウンドとアウトバウンドの促進
- - 大学を架け橋とした地域間の交流の強化
- - 初等・中等教育段階からの地域社会のグローバル化
- - 包摂的な協働や共創の実践場の提供
学長たちの期待
立命館アジア太平洋大学の学長、米山裕氏は、今後の展望を次のように述べています。「APUは、国籍や文化の多様性を重視し、2030年の目標として掲げた『世界を変える人材』の育成を目指していきます。」
九州工業大学の学長、三谷康範氏も、「教育と研究の力を活かし、社会変革の主体として積極的に行動する大学として、信頼される役割を果たしていきたい」との意気込みを示しています。
両大学が連携することによって、九州から世界へ向けて新たな挑戦が繰り広げられ、持続可能な社会の実現に向けて貢献する人材が輩出されることが期待されています。