物価高騰に伴う生活の変化
2024年度の全国生協組合員意識調査の結果、物価高騰が私たちの生活にどのように影響しているのかが浮き彫りになりました。調査によると、物価高騰の影響を最も実感しているのは、全世代を通じて「食品や日用品をより安いところで買うようになった」との回答が上位に挙がりました。このような傾向は、特に若年層に顕著であることが明らかになりました。
若年層の購買行動
20代以下や30代を中心に、若年層の回答者は「購入する食品や日用品のグレードを落とした」「大容量の商品を選び、お得に買うようになった」という傾向があります。つまり、彼らは購入の量を減らすのではなく、よりコストパフォーマンスの良い商品を選ぶことにシフトしているのです。また、「特に生活の変化はない」と回答した人はわずか6.2%に留まります。
中高年層の節約方法
逆に、50代以上の中高年層は「食品や日用品を購入する量が減った」「水道光熱費を節約するようになった」と回答する人が多く、よりシンプルな節約方法を実践している様子がうかがえます。このように、世代によって物価高騰への対応が明確に異なることが浮き彫りになりました。
値上げに対する意識
調査では、物価高騰に関する認識についても興味深い結果が出ています。「人件費や原材料費の高騰に伴う若干の値上げは仕方ない」との設問に対して、「そう思う」と「まあそう思う」とで回答した人は合わせて84.6%に達しました。特に年代が上がるにつれて、この肯定的な回答が増加する傾向が見られました。20代以下や40代では反対の意見が多いのに対し、50代以上では同意する意見が目立ちました。
食品購入への関心
さらに、食品購入に関しては、「国産の食品をなるべく選ぶ」との回答が74.0%という高い割合で示されています。健康志向や手作り志向も強く、52.7%が「健康を意識した食品を選ぶ」と回答し、半数以上が「なるべく生鮮素材を購入して手作りしている」ことに対しても同じような意識を持っています。
ただし、価格重視の意識は若年層で高く、多くの若者が「とにかく価格が安い商品を選ぶ」と回答していることも特徴的です。高齢層ほど健康や品質を重視する姿勢が強まるのです。
インターネット利用の変化
インターネットの利用状況に目を向けると、スマートフォンの使用率が年々上昇しています。65歳以上の年代でもスマートフォンの使用率が64.2%に達しており、これは高齢者にとってもインターネット利用が一般化していることを示しています。
これに対して、パソコンやタブレット、家庭用ゲーム機の使用率は減少傾向にあるため、デジタル環境が変化していることが伺えます。
社会問題への関心
調査の中で注目すべきは、社会問題への関心の高さです。「年金問題」が70.2%と最も多く、続いて「高齢者介護」「震災などの自然災害」「気候変動」が6割を超える回答率を記録しました。特に高齢層はこれらの問題に対する関心が高く、若年層は「出産・子育てしにくい環境」や「子どもの貧困や教育格差」といった子どもに関する問題に重点を置いているようです。
まとめ
この調査の結果からは、物価高騰が世代によって異なる生活対応を引き起こしていること、さらに社会問題への関心が年代ごとに違うことが明らかになりました。生活の質を保ちながら、どのように賢く買い物をするかは、今後も重要なテーマになりそうです。