JALと東京工業大学が連携、機内混雑を緩和する新たな搭乗方法を導入

JALと東京工業大学が機内混雑緩和に向けた共同研究を実施

日本航空（JAL）は、国立大学法人東京工業大学との共同研究を通じて、搭乗時の機内混雑を軽減する新しい搭乗方法を開発しました。この取り組みは、飛行機利用者がよりスムーズに搭乗できるようにすることを目的としています。新しい方法は2023年9月11日よりJALの国内線ワイドボディ機で適用されます。

新たな搭乗方法の概要

JALが導入する新しい搭乗方法では、搭乗員のボーディンググループを改訂し、優先搭乗後に特定のグループのお客様を後方座席や前方窓側座席から搭乗させることになります。これにより、従来までの搭乗法に比べて機内混雑が緩和されることが期待されています。また、これまで使用されていた「Group5」は廃止され、搭乗の流れがより明確にされます。

ボーディングブリッジ使用通路の変更

今回の改訂に合わせ、ボーディングブリッジの使用方法も見直されます。これまではご利用クラスにより異なる通路が割り当てられていましたが、今後は普通席のお客さまに対しては列ごとに案内する方式に変更されるため、L2ドア付近での混雑が減少し、よりスムーズな搭乗が可能になります。

研究の背景と方法

この新しい搭乗方法は、東京工業大学の環境・社会理工学院に所属する大佛俊泰教授との共同研究に基づいています。同研究では、搭乗中のお客様の動きを360度カメラで計測し、それをもとに独自の搭乗シミュレーションモデルを構築しました。このモデルを使って、搭乗の順序を数百通り試行し、最適な搭乗方法を特定しました。実験は約1,000回に渡り行われ、得られたデータに基づき、現在の方法よりも機内混雑が緩和されるシナリオが導き出されました。

実施の期待と今後の展望

JALはこの新しい搭乗方法を導入することで、お客さまの搭乗体験を向上させることを目指しています。混雑によるストレスを軽減することで、より快適な空の旅を提供できるようになるでしょう。加えて、新たな搭乗方法により、定時性の向上やカスタマーエクスペリエンスの最大化を図ることが期待されています。今後もJALは、科学的なアプローチを取り入れたサービス改善を進めていく方針です。

この取り組みは、航空業界における効率的かつ快適な搭乗方法の模索を示す重要な一歩であり、今後の成果が注目されます。