フィンエアーがコスモ石油と新たにSAFの販売契約締結
2025年3月、フィンエアーはコスモ石油マーケティングと初の販売契約を締結しました。この契約は、持続可能な航空燃料(SAF)に関するもので、フィンエアーにとって重要な意味を持ちます。これにより、国内で回収された廃食用油を原料としたSAFを供給に利用する予定です。特に、フィンエアーにとって日本国内での直接的な契約は、大きな意義を持っており、航空業界における持続可能性の向上が期待されています。
フィンエアーは、2025年に76,800ガロン(約233トン)のSAFを調達する見込みであり、これは同社が日本の企業と結んだ初めてのSAF契約となります。これは、環境意識の高まる中で、航空業界が持続可能性を目指す重要な一歩です。
SAFの重要性
フィンエアーにとって、SAFの使用は単なる安心・安全にとどまらず、航空機の効率化や運航コスト削減、さらにはCO2排出量削減という重要な目標達成に向けた手段となります。具体的には、フィンエアーは2033年までにフライトのCO2排出原単位を34.5%削減する中期目標を設定しています。この目標は、地球温暖化を抑制し、パリ協定の目標に沿ったものです。
フィンエアーのサステナビリティ担当シニア・バイス・プレジデント、エヴェリーナ・フーッレ氏は「SAFは、航空機が環境に与えるマイナス影響を軽減するための信頼性の高い代替燃料であり、その使用を拡大することが私たちの共通の目標です」と語っています。これに関連して、コスモ石油マーケティングの社長、森山幸二氏は「SAFは脱炭素に貢献する重要な商品で、当社の社会的な使命です」と述べており、両社が目指す持続可能な未来に向けた意識がうかがえます。
日本におけるSAFの位置づけ
コスモエネルギーホールディングスの関連会社であるSAFFAIRE SKY ENERGYが、2025年度に稼働予定の設備でこのSAFを量産します。日本国内で生産されたSAFは、国際的な持続可能性認証を受けており、東京の羽田空港を出発するフライトへの給油に利用されます。昨年度、フィンエアーはSAFの使用量を約2,266トンから約4,700トンに増加させており、持続可能な航空業界の実現に向けて具体的な成果を上げています。2025年には、このSAFのシェアが1.8%に達すると予測されています。
フィンエアーの企業としての位置づけ
フィンエアーは、旅行と貨物輸送に特化したネットワークエアラインで、アジアと欧州を結ぶ重要な役割を果たしています。航空アライアンスoneworldのメンバーであり、2023年11月には創立100周年を迎えます。サステナビリティは同社の企業理念の中心にあり、2050年までに二酸化炭素排出をネットゼロにすることを目指しています。