武蔵野大学と地域の子どもたちが挑む「わがままパーク・プロジェクト」
武蔵野大学工学部建築デザイン学科の太田裕通講師と15名の学生たちは、群馬県みどり市の大間々町で進める「わがままパーク・プロジェクト」に注力しています。このプロジェクトは、過疎地域に指定されたその地で、遊休不動産を利用して私設公園を作ることを目的としています。
地域の遊休不動産を活用した新たな試み
具体的には、約450平米の敷地に存在する空き家2棟、駐車場、庭を使用し、持続的な地域の空間活用を目指します。プロジェクトは2025年4月から本格的に始まり、地元の小学生とのワークショップを通じて、子どもたちのクリエイティブなアイデアを公園デザインに落とし込む形で進めています。
実際に、これまでに全4回のワークショップを実施しており、学生たちと子どもたちが意見を出し合いながら、どのような公園が必要かを模索しています。子どもたちの「遊べる場所がない」という声に基づき、彼らの視点で設計された公園デザインが提案されていく様子は、まさに未来の小さな「建築家」を育てる過程と言えるでしょう。
地域住民との交流と発表会
このプロジェクトの成果は、2025年8月2日に開催される大間々祇園祭で発表される予定です。このイベントは事前予約も必要なく、どなたでも参加できる無料の発表会です。地域の住民たちにとっても、身近な課題に注意を向ける貴重な機会となるでしょう。
発表会は、15:00から16:00の1時間を予定しており、参加者はワークショップでの子どもたちのアイデアやデザインを直接目にすることができます。そうした交流が地域社会に新たなつながりを生むきっかけになるかもしれません。
実施内容や将来の展望
プロジェクトは、2024年の夏から実際の公園整備をスタートする予定で、地域の住民を巻き込んだ施工ワークショップも計画されています。グランドオープンは同年の11月末を見込んでおり、長い目で見て地域の活力を取り戻すための大きな一歩となるでしょう。
本活動に関与する太田講師は、子どもたちが持つ独自の視点がどのように空間デザインに影響を与えるかを重視していて、ワークショップの中での彼らの成長を非常に楽しみにしています。また、大学生にとっても実社会のニーズに応える貴重な経験になると語っています。
みどり市の取り組みとは
群馬県みどり市では、「リノベーションまちづくり」という取り組みが2022年から始まっており、地域の遊休不動産や人的資源を利用して、その価値を向上させようとしています。このように、委託による実践的な空間活用が進められている場で、武蔵野大学も地域に貢献するプロジェクトに参加し、教育の場を超えた社会貢献を目指しています。
「わがままパーク・プロジェクト」は、過疎地域に新しい命を吹き込むだけでなく、地域の子どもたちに自分たちの夢や願いを形にするための素晴らしい機会を提供しています。今後の展開が期待される中、地域の参加者全員が一丸となってこのプロジェクトを支えていく姿勢が、ますます重要となるでしょう。