加古川市が新たな賑わい交流拠点を整備
兵庫県加古川市は、地域の活性化と魅力向上を目的に新たな賑わい交流拠点の整備に着手しました。この事業は、約3,000㎡の土地を利用して民間事業者による飲食施設などを誘致するもので、最近行われた公募において「SAVE KAKOGAWAコンソーシアム」が優先交渉権者に選定されたことが8月22日に発表されました。このコンソーシアムは、加古川市の株式会社ムサシを代表として、地元の前川建設株式会社や大阪に本社を構える株式会社クルが協力する形で成立しています。
プロジェクトのコンセプトと目的
この新たな拠点の暮らしやすさをテーマにしたコンセプトは「加古川の未来をつくること」や「もうひとつの土手をつくること」です。具体的には、次の4つの目的が掲げられています。
1. 加古川市全体の魅力を向上させること。
2. 市民が川に親しむきっかけを提供すること。
3. 子育て世代にとっての居場所を創出すること。
4. 長く利用できる施設を整備すること。
整備内容と予定
拠点整備の構想では、事業用地を「民間ゾーン」と「公共ゾーン」に分ける計画です。民間ゾーンは、市から用地を借りた事業者が自身の投資をもとに商業施設やサービス提供施設を整備し、その後独立採算方式で運営します。一方、公共ゾーンでは、事業者が屋外トイレや遊具広場を整備した後に市が譲受し、維持管理を行う仕組みです。これは、地域資源活用の新しい形であり、官民連携の初めての試みとなります。
開業予定と地域振興
整備工事は、2025年(令和10年)4月の供用開始を目指しています。また、この計画は国土交通省が推進する「RIVASITE」制度を活用し、全国初の取り組みとして位置付けられる見込みです。この制度は、河川敷地の民間活用を促進するもので、最大20年間占用が保証される特典を持っています。
背景と期待される効果
加古川市では、2018年に策定された「かわまちづくり計画」に基づいて、身近な自然を活かしたまちづくりを進めています。計画の基本コンセプトは「駅からの回遊性を生み出す新しい日常空間の創造」です。JR加古川駅近くの河川敷周辺を、地域の魅力を引き出す拠点として整備し、「かわ空間」と「まち空間」を融合させることで、地域全体の魅力を高めることを目指しています。
このような取り組みを通じて、加古川市では若者や子育て世代が住みやすく、訪れたくなる魅力的な町を実現し、安全な環境も提供することが期待されています。今後、国、市、民間事業者が一体となり、5年間の計画を経て、2025年のオープンを目指して河川敷の環境整備が進められていく予定です。