越境EC市場における日本製品の需要と課題についての調査結果
最近、ディーエムソリューションズ株式会社が実施した越境ECに関する調査結果が発表されました。本調査では、日本からの越境EC進出が見込まれるアメリカ、中国、台湾、イギリス、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの計8ヵ国の20代から40代の男女800名を対象に、実施されています。
高まる日本製品の需要
調査によると、約9割の海外消費者が日本の商品やブランドを欲しいと回答しています。具体的には「日本の商品やブランドについて、欲しいと考えたことがある」との質問に対し、「非常にそう思う」が39.9%、「そう思ったことがある」が47.5%という結果が出ています。これは、日本製の品質やデザインに対する需要が非常に高いことを示しています。
供給が追いつかない現状
一方で、約8割の消費者が日本の商品やブランドが販売されていないことに「がっかり」した経験があると述べています。具体的には「よくある」が27.5%、そして「時々ある」が49.1%という結果で、需要に対して供給が大きく不足していることが分かります。これは、特に越境ECにおいて日本の商品を簡単に入手できない現状を反映しており、商品が手に入らないことで失望感が生まれています。
関心が高まる日本製品
この調査にはさらに興味深い結果も含まれています。近年、特にコロナウイルスの影響を受けて、日本の商品に関心を持つようになった消費者が多いことがわかりました。具体的には、2人に1人の海外消費者が「コロナショック後に興味を持ち始めた」とのことです。この背景には、巣ごもり需要があり、ネットフリックスやYouTubeといったプラットフォームに触れることで日本文化への理解が深まっている可能性があります。
SNSが鍵
また、「日本の商品やブランドに興味を持ったきっかけ」として、70.3%が「ソーシャルメディア」を挙げています。これは、SNSが日本製品の認知を広める重要なツールとなっていることを示しており、越境ECにおけるマーケティング戦略として、SNSの活用が有効な手段であると考えられます。
アニメ・マンガの人気
さらに、調査では日本のカルチャーに関する興味も尋ねられ、「アニメ・マンガ」が60.5%の支持を得て最も人気のあるカテゴリーとなり、食文化や観光地を上回りました。このことは、日本のアニメやマンガが国際的にも影響を及ぼしていることを物語っています。越境EC市場における日本製品の展開では、フィギュアやアクリルスタンドなど、アニメ関連商品が高い需要を得る可能性が高いでしょう。
越境ECの今後
今回の調査からは、日本製品に対する海外での高い需要と、それに対する供給の不足という二つの重要な点が明らかになりました。越境EC市場は、日本企業にとって新たなビジネスチャンスを提供するエリアであり、慎重に進出を検討する必要がありますが、まずは試してみる勇気を持つことが成功のカギとも言えるでしょう。今後の越境EC市場の成長が期待されます。調査の詳細は「ウルロジ」のウェブサイトからダウンロード可能です。
詳細な情報を得ることで、海外市場への進出に必要な戦略を考えるヒントが得られるでしょう。