IoT向けOS「Armadillo」
2021-09-09 14:30:01

アットマークテクノが開発したIoT向けLinux OS「Armadillo Base OS」とは

アットマークテクノの新たな挑戦



株式会社アットマークテクノ(本社:札幌市)が、IoT機器向けに特化したLinuxベースの新オペレーティングシステム「Armadillo Base OS」を発表しました。このOSは2021年11月に発売されるエッジAI処理に対応した「Armadillo-IoTゲートウェイG4」に搭載される予定です。

IoT機器向けOSの必要性


IoT機器は、限られたリソースのもとで動作し、一般的にはC言語でアプリケーションが開発されることが多いですが、最近ではPythonやJavaScriptといった言語の利用が増え、汎用Linuxディストリビューションの採用が進んでいます。しかし、PCやサーバー向けに設計されたこれらのOSは、IoT機器の特性に必ずしも適しているとは言えません。

IoT機器は、電源環境が不安定であったり、人の手が届かない場所で使用される場合が多く、突然の電源オフやアップデートの失敗なども考慮する必要があります。さらに、eMMCなどのNANDフラッシュメモリを使用する場合、書き換え回数や容量の制限があるため、その運用には多くの配慮が求められます。また、長期間にわたり運用されるIoT機器は、セキュリティ面でも新たな脅威に対処する必要に迫られています。

アットマークテクノはこうした課題を踏まえて、「Armadillo Base OS」を開発しました。

Armadillo Base OSの特徴


(1) コンパクトなOS機能


「Armadillo Base OS」は、Linux 5.10を基盤に、コンテナ管理やソフトウェアアップデート、ネットワーク機能に特化して機能をコンパクト化しています。この設計により、セキュリティリスクが軽減され、10年以上のメンテナンスも現実的なものとなりました。

(2) コンテナベースのアプリケーション運用


アプリケーションはOSから独立してコンテナ化されており、開発者は自由にディストリビューションやライブラリを選べます。コンテナからOSリソースへアクセスする際には必要な権限が明示的に与えられるため、異常が発生してもOS全体への影響が少なくなっています。

(3) アップデートの標準化


OS部分やブートローダ、コンテナ部分それぞれのアップデートが標準化されており、信頼されたソフトウェアのみが更新される仕組みがあります。アップデート中に電源断があっても、以前の状態に戻ることが可能です。

(4) セキュリティ機能の強化


これまでの取り組みに加えて、Arm® TrustZone®環境下で動作するセキュア環境「OP-TEE」を利用可能にし、デバイス証明やセキュアブートの対応も予定されています。

まとめ


「Armadillo Base OS」は、IoT機器に特化したOSとしての新たな形を提供します。アットマークテクノは、今後も機能の向上に取り組み、その成果をオープンソースとして公開していく方針です。今後の展開に期待が寄せられています。

会社情報

会社名
株式会社アットマークテクノ
住所
北海道札幌市北区北十二条西4丁目1-6松﨑北12条ビル
電話番号
011-299-1501

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