ヤンマーとアクアステージ、陸上養殖で連携
2023年、ヤンマーホールディングス株式会社と株式会社アクアステージが新たに資本業務提携を結び、陸上養殖の分野での革新を図ることを発表しました。この提携は、水質浄化ソリューションの創出を目指しており、両社が持つ専門知識を組み合わせて持続可能な水産業の確立に挑んでいく狙いです。
アクアステージ社とその技術
アクアステージ社は滋賀県に拠点を置き、完全閉鎖型の陸上養殖システムを開発しています。このシステムは、世界初のシロサケの陸上養殖を実現しており、またトラフグやビワマス、エビ、ヒラメなどの陸上養殖にも対応しています。独自の水質浄化技術を活用し、内陸でも高品質な水産物を生産する能力を持っています。
特に「完全閉鎖型陸上養殖(C-RAS)」は、近年問題となっている海水温の上昇や寄生虫、魚病感染といったリスクを排除し、内陸や市街地での水産物生産を可能にします。これにより、地域産品のブランディングや、水産物の安全性向上を図ることを目指しています。
ヤンマーグループの持続可能性への取り組み
一方、ヤンマーグループは創業以来、持続可能な社会の実現を掲げ「A SUSTAINABLE FUTURE」を目指しています。特に水産業においては、「獲る漁業から育てる漁業」へのシフトが重要視されており、養殖設備などの海洋ソリューションを通じて資源利用の効率化を追求しています。
本提携により、両社はアクアステージ社の水質浄化技術とヤンマーのエネルギーマネジメントや流体・熱制御技術を活用し、新たな水質浄化ソリューションの開発を進める予定です。これにより持続可能な養殖業への貢献を目指します。
地域への貢献と今後
特に、ヤンマーグループの広範なネットワークを活かすことにより、アクアステージ社の養殖事業や水質浄化業務をさらに拡大することが期待されています。また、アクアステージ社は世界遺産である京都府宇治市の平等院の阿字池においても水質維持管理業務を行うなど、地域の自然環境への配慮も忘れていません。
このように、両社の提携は単なるビジネスの枠を超え、地域の環境保護や水産物の質の向上に寄与することを目指しています。今後の成果に期待が高まります。