日本の葬儀業界では、近年の高齢化とともに葬儀需要が急増し、これに伴う装花技術者の不足や過重労働が問題視されています。そんな中、株式会社日比谷花壇が開発したのが、生花祭壇のベースユニット「だれdemo花祭壇」です。2024年10月から販売が開始されるこの新商品は、技術者不足の解消と生産性向上を目指しています。
「だれdemo花祭壇」の主な特徴
「だれdemo花祭壇」は、専門的な技術がなくても、簡単に短時間で美しい花祭壇を制作できる革新的な商品です。具体的な制作手順としては、制作マニュアルを参考にしながら、生花を指定の長さに切り、ベースユニットの挿入口に挿入するだけ。これにより、従来の制作時間の半分以下で花祭壇が完成するのです。加えて、誰が制作しても一貫した大きさや形、品質が確保されるため、品質の平準化も実現されます。
環境への配慮とコスト削減
「だれdemo花祭壇」は、金属製のパイプで構成されており、パーツが分割可能なため、運搬時の負担も軽減されます。また、給水性スポンジや生花の葉物が不要なため、毎回の仕入れコストの削減と環境への配慮が両立します。これにより葬儀社は経済的な負担を軽減しつつ、より良いサービスが提供できるようになります。
バリエーション豊富なサイズ展開
本商品は、ショートセット、スタンダードセット、ロングセットといった基本セットに加え、幅を広げるためのオプションパーツも用意しています。カスタマイズ可能なサイズ展開により、様々なニーズに応じた制作が可能です。このため、葬儀社が抱える多様な依頼にも柔軟に対応できる点が大きな魅力です。
クラウド型サポートシステム「F-LINKs」
さらに、「だれdemo花祭壇」を購入すると、日比谷花壇が提供するクラウド型生花祭壇制作サポートシステム「F-LINKs」が利用可能になります。このシステムでは、デザイナーが考案した花材レシピや制作マニュアルにアクセスできるため、短時間でのデザイン決定や教育の効率化が図れます。現在、制作可能なデザインは全5種類であり、今後もラインナップが増やされる予定です。
企業の社会的責任
日比谷花壇は、「だれdemo花祭壇」を通じて、生葬業界の生産性向上と人材不足の解消、事業領域の拡大に貢献することを目指しています。葬儀社にとって、技術者不足や過重労働は深刻な問題ですが、この商品によって少しでもそれらの負担が軽減されることが期待されます。
最後に、日比谷花壇は1872年に創業し、東京・日比谷公園本店の出店を経て、現在は全国に190拠点を展開しています。葬儀サービスだけでなく、ウエディング装花やフラワーギフトの提供など、多岐にわたる事業を展開し、花や緑を通じて人々の生活を豊かにする取り組みを続けています。