量子科学オンラインフォーラム
2021-10-21 15:00:06
量子科学の未来を探るオンラインフォーラムが大盛況!新たな技術の可能性が明らかに
量子科学の未来を探る!
去る9月29日、東京工業大学が主催する「超スマート社会推進コンソーシアム」(以下、SSS推進コンソーシアム)がオンラインフォーラムを開催しました。このフォーラムのテーマは「超スマート社会を拓く量子科学最前線」。
このイベントには、科学関係者や大学生、企業の研究者など445名が参加し、量子科学技術の最新情報やその応用についての視点を共有しました。量子コンピュータ、量子センサ、量子暗号といった革新的な技術が、超スマート社会の実現にどのように寄与するかが議論されました。
フォーラムの進行
フォーラムは、まずSSS推進コンソーシアムのコーディネーターである阪口啓工学院教授と、事務局長の福田英輔工学院特任教授の挨拶で幕を開けました。フォーラムには5名の講演者が登壇し、それぞれの専門分野における最新の技術活用について語りました。
基調講演
西森秀稔教授(東京工業大学)は、量子アニーリングを基にした量子コンピューティングに関する基調講演を行いました。彼は量子計算の原理や世界的な研究の状況について詳しく解説し、最新技術「キブル・ズーレック機構」についても触れました。この技術は、温度や量子ゆらぎの変化を予測するもので、今後の発展が期待されているというコメントで締めくくられました。
続いて、白根昌之氏(NEC)は、量子コンピューティングの研究開発状況について講演。この発表では、量子ビットの集積化についての具体的な技術的議論が行われ、参加者の興味を引きました。
実用化への道
上妻幹旺教授(東京工業大学)からは、最新の航法技術についての発表が行われ、特に量子効果を利用したジャイロスコープの実装について語られました。彼の研究は、非GPS航法の精度向上に寄与する可能性を示唆しています。
鯨岡真美子氏(株式会社東芝)による講演では、量子暗号に関する取り組みが紹介され、高速かつ安全な情報通信を実現する技術が発展していることが強調されました。
最後に、波多野睦子教授(東京工業大学)が、ピンクダイヤモンドを利用した新たな量子センサの可能性について講演しました。この研究は、医療分野などへの応用が期待されており、実用的なデバイス化への道が示されています。
パネルディスカッション
フォーラムの後半では、パネルディスカッションが行われ、超スマート社会の実現に向けた量子科学の現状や課題についての議論が展開されました。中でも、アカデミアと民間企業の協力が重要であるとの認識が強調され、人材育成の必要性も再確認されました。
最後に、コンソーシアム運営委員会委員長の岩附信行教授がイベントの総括を行い、閉会の挨拶で水本哲弥理事・副学長が参加者に感謝の意を示しました。
今後、SSS推進コンソーシアムは超スマート社会の実現に向けたイベントを開催し続けるとのこと。科学技術の進展を理解し、最新の情報を得る貴重な機会が提供されることが期待されます。
会社情報
- 会社名
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東京工業大学 超スマート社会推進コンソーシアム事務局
- 住所
- 東京都目黒区大岡山2-12-1 S3-14
- 電話番号
-
03-5734-3625