日立ハイテクとInvivoscribeが共同開発した新型核酸抽出装置
株式会社日立ハイテクが、米国のInvivoscribe社と共同で、新しい定量機能を持つ核酸抽出装置「PrepQuant™ System」を開発しました。この装置は、検体の前処理に特化しており、特に血液がんに関連する検査キットや臨床検査サービスを提供するための重要なツールとなることが期待されています。
共同開発の背景と目的
日立ハイテクとInvivoscribe社は、2022年より分子診断分野での新しい価値創出に向けた協力関係を築いてきました。Invivoscribe社は、遺伝子検査キットの開発において豊富な経験を有し、バイオインフォマティクスや臨床検査サービスに関する専門知識を持っています。一方、日立ハイテクは自動化や計測、分析の技術に強みを持ち、これらを融合させることで、がん診断および治療モニタリングのニーズに応えるソリューションを提供することを目指しています。
PrepQuant™ Systemの機能と利点
新たに開発されたPrepQuant™ Systemは、検体から核酸を抽出・濃縮・定量する全過程を自動で実行できる点が特筆すべき特徴です。従来は、各工程を異なる装置や手作業で行っていましたが、その手間を省くことで作業負荷を大幅に軽減し、処理時間を短縮します。
このシステムは、2 mLの血液や骨髄、8 mLの血漿といった大容量の検体にも対応しており、がんの微小残存病変解析やリキッドバイオプシー研究に関連する遺伝子解析データの品質向上に大いに役立つでしょう。
今後の展開
Invivoscribe社では、PrepQuant™ Systemを2026年4月から米国市場で販売開始する予定です。また、同年4月にはサンディエゴで開催される「American Association for Cancer Research (AACR)」年次総会において、初めてその実演を行う予定です。
医療業界への貢献
日立ハイテクは、分子診断を含む体外診断技術の品質向上、そして放射線治療の非侵襲化など、医療全体の最適化に向けたイノベーションを創出することに注力しています。「がんを恐れることのない社会」の実現を目指し、日々努力を続けています。
今後も体外診断分野において積み上げたノウハウとデジタル技術を組み合わせ、患者一人ひとりに寄り添った医療を提供することで、環境、幸福、経済成長が調和した社会の実現に貢献していく所存です。なお、本装置の使用は研究目的に限定され、診断目的では利用できない点にご注意ください。