新たなエッジAI活用を可能にする「Edge AI Platform」
株式会社NTTデータグループとNTTデータ先端技術は、エッジAIの導入を容易にするサービス「Edge AI Platform」を2024年11月から開始します。この新サービスは、特に工場や倉庫、店舗、工事現場など、さまざまな作業環境でのAI活用を加速させることを目的としています。
エッジAIの進化とその利点
近年、エッジAIが注目を集める理由はいくつかあります。まず、エッジAIはデータ処理を物理的にユーザーの近くで行うため、ほぼリアルタイムで情報を提供し、これにより迅速な意思決定が可能になります。また、データ処理を閉じた環境内で行うことで、プライバシーやセキュリティのリスクを軽減できる点も大きな利点です。さらに、エッジAIはクラウドとのデータ通信量を削減できるため、コスト効率が高まります。
ただし、エッジAIの導入に際しては、複数現場でのデバイス管理や複雑な設定が問題視されています。これらの課題を解決するため、NTTデータグループは「Edge as a Service」といった新たなサービスを2019年より提供してきました。
「Edge AI Platform」の革新
「Edge AI Platform」は、デバイスの簡単な接続、リモート管理、統合運用を提供することにより、エッジAIの導入のハードルを下げます。これにより、現場にIT人材が常駐していなくても、エッジAIの運用が容易になります。合計してエンド・ツー・エンドでサービスを提供するため、導入にかかる期間を大幅に短縮できます。
特徴と構成
このサービスの導入に際して、現地でのネットワーク敷設や複雑な設定は不要です。特に、サブスクリプション方式で利用できるため、多様なニーズに柔軟に対応可能です。システムはエッジコンピューティングとプラットフォーム機能から構成され、これによりリアルタイムでのAI推論が実現します。また、4G/5G回線に対応したデバイスの遠隔状態監視が可能で、セキュリティや不具合の遠隔メンテナンスも容易になります。
想定される利用シーン
「Edge AI Platform」がもたらす変革は多岐にわたります。
- - 危険現場の安全管理: 建設現場や工場での安全管理が強化され、カメラを用いたリアルタイムな危険エリアの侵入検知が実現されます。
- - スマート工場: 機械の状態をリアルタイムで監視することで、適切なAIモデルの開発が可能になります。
- - リアルタイム棚卸し管理: 倉庫や工場にて、資材や物品の情報を即時に把握することができます。
さらなる業界展開
今後、NTTデータグループは、日系企業へのサービス展開を進めると共に、エッジAIに特化したユースケースやアプリケーションの拡充を図ります。これにより、異なる業界間でのエッジAI技術の利用が広がることが期待されています。特に、迅速な対応と高セキュリティを求められる環境での機能強化が課題となる現代において、NTTデータグループの「Edge AI Platform」は重要な役割を果たすでしょう。