呼吸器研究の新たな展開
2022-02-24 10:00:17

進化する呼吸器研究──ヒトiPS細胞由来の新サービス開始

新しい呼吸器感染モデル試験受託サービスが始まる



新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルスに対する研究が急務となっている中、HiLung株式会社はヒトiPS細胞由来の肺細胞を用いた「呼吸器感染モデル(薬効評価)試験受託サービス」を開始しました。この画期的なサービスは、研究機関や企業にとって新たな価値を提供するものです。

1. サービスの特長


HiLung社が提供する呼吸器細胞は、ヒト生体の細胞に近い成熟した高機能性を持っています。これにより、ヒトの生体現象の再現性が高く、細胞増殖能力も優秀です。その結果、安定した製品供給が可能となり、多様なアプリケーションに柔軟に対応できます。

2. 背景とニーズ


このサービスが登場したのは、呼吸器に関する感染症の研究が増加しているためです。従来の細胞株や動物モデルを用いた研究は、ヒトの自然な反応を正確には反映できませんでした。しかし、HiLung社の呼吸器モデルは、実際のヒト呼吸器の病態生理をより良く再現し、より信頼性の高いデータを得ることができると期待されています。

3. COVID-19モデルサービスの概要


このサービスでは、ヒトiPS細胞由来の細胞を用いて、多数の医薬品候補やアッセイを高スループットで評価します。これにより、依頼者のニーズに応えた柔軟な試験設計が可能となります。また、国内の研究機関との連携により、感染症モデルに必要な高いバイオセーフティを確保しつつ、研究の効率を向上させることが目指されています。

4. 目指す成果


この呼吸器感染モデルを通じて、COVID-19に関連する各種試験の精度や成功率を向上させ、科学的に妥当な結果を得ることがプライオリティです。医薬品の研究開発や生物学の基礎研究に必要な要件を満たすべく、ヒト細胞モデルはますます重要な役割を果たすでしょう。

5. HiLung株式会社の今後


今後、HiLung社はさまざまな受託試験サービスをさらに拡充させたいと考えています。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症モデルを提供するだけでなく、慢性呼吸器疾患のモデルや曝露毒性の試験など、多岐にわたるニーズに対応していく方針です。

会社の専門性を活かし、MDやPh.D.の専門家と連携して、試験計画の立案から結果の解釈まで密なサポートを行う体制も整えています。

参考文献


Yin X, Riva L, Pu Y, Martin-Sancho Lなどの研究がこの分野の重要な背景となっています。詳しくは、Cell Reportsのこちらの記事31617-X.pdf)をご覧ください。

まとめ


ヒトiPS細胞由来の呼吸器細胞を使用した新たな試験受託サービスがもたらす可能性は、医療やサイエンスの進歩へ大きな影響を与えるでしょう。研究機関や企業にとって全く新しい扉を開くこの取り組みに、今後も注目が集まります。

お問い合わせ


この新たなサービスに関心のある方は、HiLung株式会社のコーポレート室にぜひお問い合わせください。

https://www.hilung.com/

会社情報

会社名
HiLung株式会社
住所
京都府京都市左京区吉田下阿達町46-29京都大学医薬系総合研究棟イノベーションハブ405
電話番号
075-354-5095

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