HU-2型が遺産に認定
2025-06-23 15:06:22

日立ハイテクの透過電子顕微鏡HU-2型が顕微鏡遺産に認定

日立ハイテクの革新的技術が評価された日



株式会社日立ハイテクが開発した「透過電子顕微鏡商用機HU-2型」が、日本顕微鏡学会の第2回「顕微鏡遺産」に認定されました。この認定制度は、顕微鏡学の発展に寄与した画期的な技術や製品を文化遺産として後世に残すことを目的に2024年に設立されました。

「HU-2型」は、1942年に名古屋帝国大学に納入されたもので、日立の電子顕微鏡の草創期を支えた一台です。この時期、日本は電子顕微鏡の開発に力を入れ始めており、「HU-2型」は電子顕微鏡が未だ黎明期にあった状況でも、国産技術によって迅速に開発・製造されました。戦時中での輸入制限がある中、日立は産学官一体となって技術の向上を図ったのです。

「HU-2型」は、加速電圧50kVを持ち、磁界型のコンデンサレンズ、対物レンズ、投射レンズから構成されています。さらに、この顕微鏡では拡大された試料透過像を観察室で確認でき、写真乾板に記録をする仕組みが整っています。これらの構造は、現在の電子顕微鏡に受け継がれている基本でもあり、最高分解能は驚異の5nmに達します。

名古屋帝国大学での活用を契機に、電子顕微鏡技術は生物や材料の研究・開発に大いに役立ち、日本の先端科学技術の発展に寄与しました。これまで「HU-2型」は、2009年に国立科学博物館の「重要科学技術史資料」、同年に電気学会から「でんきの礎」、2014年には日本分析機器工業会から「分析機器・科学機器遺産」の認定を受けており、その先駆的な業績は広く評価されています。実物は東海国立大学機構名古屋大学博物館に常設展示されています。

また、今回の「顕微鏡遺産」の認定では「HU-2型」以外にも、日立の電子顕微鏡や電子線技術の成果が複数選ばれました。1972年には初の電界放出型電子顕微鏡が登場し、2012年には「IEEEマイルストーン認定」を受けるなど、日立の技術力は世界的にも高く評価されています。

日立ハイテクは、今後も解析・分析技術を基盤に、社会の需要や課題に応じた製品・サービスを提供し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく方針です。このアプローチによって、日立ハイテクはさまざまな科学分野において革新を続け、さらなる発展を目指しています。

日立ハイテクの企業ビジョンと取り組み


日立ハイテクは、「知る力で、世界を、未来を変えていく」という企業ビジョンのもと、持続可能な地球環境、安心・安全な生活、科学と産業の成長を支える技術開発に取り組んでいます。医療や半導体、環境、解析装置など幅広い分野における製品やサービスを提供し、社会的な課題解決に向けた革新の先駆者となることを目指しています。

より詳細な情報は、日立ハイテクの公式ウェブサイトをご覧ください。


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会社情報

会社名
株式会社日立ハイテク
住所
東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
電話番号
03-3504-7111

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