SRSホールディングス株式会社は、2023年に取締役会を開き、新しい中期経営計画「SRS VISION 2030」を策定しました。この5年間の計画は、2030年3月期までを対象としており、同社が取り組む新しい経営方針や方向性が示されています。
新中期経営計画「SRS VISION 2030」
新たなビジョンとして掲げられた「心を満たす和食を、もっと身近に、日本中の人々へ。そして世界へ。」は、SRSホールディングスが目指す和食文化の普及を強調しています。このビジョンの下、同社は手ごろで日常的に楽しめる和食を提供することを目指し、日本国内外での挑戦を続けていきます。
具体的な計画期間は2026年から2030年までの5年間であり、主要な目標としては、連結売上高1,150億円以上、連結経常利益60億円以上、ROE12.0%以上、店舗数は1,100店舗以上の設定がされています。これは特に和食チェーンのトップブランドとしての地位を確立するための重要なステップといえるでしょう。
DX推進宣言2030の重要性
SRSホールディングスは、経営計画を成功させるために「SRS DX推進宣言2030」を発表しました。この宣言では、顧客体験の向上や従業員の生産性向上、グループの共通基盤の構築を3つの基本方針として掲げており、全従業員でのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する相乗効果を狙っています。
具体的には、予約システムやAIを用いたアプリの機能強化、人の手を介さずオーダーできるセルフオーダーシステムの導入、そしてクラウドベースでの経営データの一元管理を進めていく方針です。これにより、迅速な意思決定が可能になり、さらなるコスト削減を通じて、お客様への提供価格を引き下げることが期待されます。
新たな収益基盤の確立を目指して
SRSグループは、既存事業の成長を維持しつつ、新たな収益基盤の確立を目指しています。特に「和食さと」や「にぎり長次郎」といったブランドをナショナルブランドとして確立し、グルメ寿司の圧倒的ナンバーワンを目指す方針です。
さらに、5年間にわたる資本コストを意識した経営方針も掲げられており、ROEの向上やキャピタルアロケーション、配当方針の見直しも進められています。連結配当性向は20%を目安としており、持続可能な企業経営を志向しています。
組織体制と投資戦略
また、DX推進本部を立ち上げ、代表取締役社長が直接指揮をとり、各部門の責任者によってDXを部門横断的に進める体制を整えました。これにより、全社的にDXに関する投資を効果的に行い、リスクと機会のバランスを考慮しながらビジネスを発展させていく流れを作っています。
セキュリティ対策においても、情報資産の保護と管理の強化が図られており、全従業員のリテラシー向上や、情報セキュリティに関する研修が徹底されています。これによって、信頼性の高いサービスを提供し、顧客との信頼関係を築いていくことが求められています。
結論
SRSホールディングスの「SRS VISION 2030」と「SRS DX推進宣言2030」は、和食文化の推進とデジタル化を融合させた新しい経営方針です。これにより、日本国内外でのさらなる成長を期待させるこの計画から目が離せません。今後もSRSグループの動向に注目していきましょう。