古民家と子どもたち
2021-10-25 13:15:23
子どもたちの新たな居場所としての古民家フリースクールASOVIVAの取り組み
古民家フリースクールASOVIVAの多様な挑戦
大阪府の南河内郡に位置する特定非営利活動法人ASOVIVAでは、古民家を活用したフリースクール「デモクラティックスクールASOVIVA」が運営されています。このスクールは、学校に通わず、様々な背景を持つ子どもたちが自分のペースで学び成長できる場所。最近、ASOVIVAは大阪市立大学大学院と共同し、スクール内部をVRカメラで撮影する取り組みを実施しました。
VR撮影の目的とは?
この撮影は、布施和樹さん(修士1年生)が行っており、撮影された映像は後に編集され、ASOVIVAのウェブサイトで公開される予定です。主な目的は、社会全体に「空き家」と「不登校の子どもたち」という現代の課題に対する取り組みのモデルを示すことです。これにより、地域の関係者たちが積極的に空き家を利用した子どもたちの居場所を提供する動機付けを図ります。
現在の不登校児童の状況
文科省が発表した2021年の調査によると、不登校の小中学生は年々増加し、令和2年度には19万6千人を超えました。このような背景から、ASOVIVAのような新たな学びの場が求められています。
空き家問題とフリースクールの関連性
また、総務省による調査では、日本の空き家が年々増えているとされています。この2つの問題、不登校と空き家が交差するところに、ASOVIVAは新しい提案を行おうとしています。
空間の重要性
布施さんの研究論文「フリースクールの活動からみた農村地域のオルタナティブ教育環境としての可能性」では、特に日本家屋の間取りや使用法が子どもたちの学びに影響を与えていることが指摘されています。畳に座ることができる自由な空間、襖や障子が連続する構造、自然環境へのアクセスなどが、子どもたちの活動を活性化させています。
子どもたちの自主性を尊重
ASOVIVAに通う子どもたちは、空間を利用する上で自分たちの意見を尊重され、自らの裁量で決定していく文化があります。このような環境が、彼らの自己肯定感や意欲を育んでいると考えられています。
具体的な変化
具体的に、ASOVIVAでは子どもたちの「心のレジリエンス」を高めるための取り組みを行っており、社会とのつながりを意識した活動が展開されています。布施さんが観察した内容には、子どもたちの自然環境との関わりが大きな影響を与えていることが含まれます。特に、近くの川で遊ぶことで身体的な活動が促され、それが心の健康にも寄与することがわかりました。
地域に広める取り組み
ASOVIVAは、地域における新しい居場所の模範となることを目指しています。具体的には、古民家の活用を通じて、社会に対してアピールし、他の地域にも同様のフリースクールを設立する機会を増やそうとしています。
取組の拡張計画
今後、ASOVIVAでは「MUSUVIVA」として就労継続支援B型事業を併設し、大人たちの主体性を重視した新しい形の働き場を提供する予定です。この取り組みにより、フリースクールと社会参加の場が統合され、子どもたちが成長できる多様な環境が整うことが期待されています。
まとめ
デモクラティックスクールASOVIVAは、多様なバックグラウンドを持つ子どもたちにとって頼れる居場所として、地域社会における空き家問題や不登校の課題に真正面から取り組んでいます。今後の活動が地域にもたらす影響に期待が高まります。
会社情報
- 会社名
-
特定非営利活動法人ASOVIVA
- 住所
- 大阪府南河内郡河南町寛弘寺756-2
- 電話番号
-
0721-21-6989