生成AIを活用した新たな販促の形
このたび、西村ジョイ株式会社と株式会社総合オリコミ社は、生成AIを駆使した1to1販促の実証実験を行うことを発表しました。この取り組みは、顧客の購買履歴やチラシ情報を活用し、よりパーソナライズされた販促活動を実現することを目的としています。特に、近年の市場環境では、人口減少の影響で競争が激化しており、一度だけの購入に頼るのではなく、顧客との長期的な関係を築くことが必要不可欠とされています。
1to1販促の重要性
顧客とのエンゲージメントを高めるためには、売り手の一方的なメッセージの発信ではなく、顧客一人ひとりにとって価値のある情報を適切に届けることが重要です。特にチラシは、顧客の「今は興味がない商品」にも触れる機会を提供するメディアとしての特性を持っており、セレンディピティ(偶然の出会い)を生む優れたツールです。これを効果的に活用することで、顧客は新たな価値を見出すことができるのです。
実証実験の概要
実証実験では、顧客の購買履歴をもとに、それぞれの興味に合った情報を生成し、LINEメッセージとして送信します。メッセージは、さまざまな情報ソースを統合したデータベースから生成され、それにより個々の顧客にカスタマイズされた内容が提供されます。実験は、購買履歴のある顧客を対象に行われ、参加者はランダムに二つのグループに分けられます。一方のグループにはAIが生成したメッセージが配信され、もう一方には従来型の共通メッセージが送られる仕組みです。
実施フロー
1.
データの統合・加工
会員情報、購買履歴を一元管理し、異常値や欠損値をクレンジングします。
2.
お役立ち情報の生成
AIにより、顧客の購買履歴の文脈から関連する情報を個別に生成します。これは、商品名を直接含まない、役立つ情報を指します。
3.
関連するチラシ情報の取得
購買履歴に関連するチラシの記事を探索し、顧客に最も関連性の高いものを選定します。
4.
メッセージの生成
お役立ち情報とチラシ情報を融合し、季節感を取り入れたメッセージとして作り直します。
5.
LINEによる配信
最終的に作成されたメッセージにリンクを加えてLINEで送信し、クリック率や滞在時間を計測します。
AIによるデータの適切な加工
本取り組みでは、データの集約だけでなく、異なるソース間で情報を正しく関連付けることが求められます。顧客の興味や嗜好を的確に捉えるための独自のプロセスを経て、AIが効果的にメッセージを生成できるように工夫しています。
顧客の反応を測る方法
この実証実験は盲検化されたRCT(Randomized Controlled Trial)として実施されます。顧客自身は受け取ったメッセージの種類を知らないため、事前のバイアスが及ぼす影響を排除し、メッセージの内容そのものが行動に与える影響を測定できます。また、顧客が受け取る印象についてもアンケートを実施し、内容に対する感想を集めることで、今後の施策に活かす予定です。
このような取り組みは、顧客にとってメリットのある情報を提供しつつ、企業側にとってもマーケティングの新たなアプローチを模索する大きな一歩となります。Re Data Scienceは、今後もこの実証実験を通じて、さらに洗練されたマーケティング活動を展開していくことが期待されています。