FTSE Russellが日本市場へ気候インデックスを拡張、安全で持続可能な投資環境を提供
FTSE Russellが日本市場に気候インデックスを導入
インデックスとアナリティクスの世界的リーダーであるFTSE Russellが、日本株式市場に向けた新たな試みをスタートさせました。2020年に導入したFTSE TPI Climate Transitionインデックスを拡張し、日本市場に特化したインデックスを提供することとなります。これは、気候データを基にしたサステナブルな投資の実現を目指すものです。
この新しいFTSE Japan TPI Climate TransitionインデックスとFTSE All-World ex-Japan TPI Climate Transitionインデックスの2つのシリーズは、日本の上場企業の気候変動に対する対応状況を評価し、持続可能な投資の指針を示します。日本の中・大型株を対象としたFTSE Japan TPI Climate Transitionインデックスは、地球温暖化を2℃未満に抑えるという目標に照応した透明性の高い基準で加重の見直しが行われます。
評価基準には、企業の温室効果ガス排出量や化石燃料の埋蔵量、さらにはFTSE RussellのGreen Revenue 2.0データモデルを活用したグリーンレベニューの測定が用いられます。このアプローチにより、企業が気候変動リスクをどのように管理し、またその機会をどのように捉えているかが明らかになります。さらに、企業の経営品質を評価するTPI評価も取り入れられ、企業が低炭素経済への移行に向けた計画をどのように立てているかを示します。
具体的には、FTSE Japanインデックスに含まれる約500社の日本企業がTPI経営品質分析に基づいて評価され、過去3年間、FTSE Developed ex Japanインデックスを構成する1500社以上の外国企業に対してアンダーパフォームしていたことが示されています。しかし、この差は徐々に縮小しており、2019年の平均実績1.87から2021年には2.07に上昇しています。
対照的に、FTSE Developed ex Japan構成企業の数値は2019年の2.23から2021年には2.20とわずかに減少しています。このデータは、日本企業が気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が推奨する開示事項に対して強固な支持を示していることが背景にあると考えられます。
産業別に見ると、日本のテクノロジー、不動産、エネルギー企業は、FTSE Developed ex Japanインデックスで同業他社をアウトパフォームしています。一方、資本財や生活必需品、金融企業などは他の先進市場の企業をアンダーパフォームしている現状があります。
TPIは、企業の低炭素戦略がパリ協定にどのように整合しているかを分析し、信頼性のあるデータを提供します。FTSE Russellサステナブル投資部門の森敦仁氏は「これらのインデックスは、投資家のポートフォリオを2℃シナリオに整合させる効率的な方法を提示します」と語り、TCFDの報告基準を支持する日本企業の姿勢が今後も注目されるとしています。
TPI会長のアダム・マシューズ氏も、投資家が信頼できる低炭素移行戦略を持つ企業についての透明性の高い情報を必要としていることに言及し、FTSE TPI Climate Transitionインデックス・シリーズの日本市場への導入が投資の意味を再定義する重要なステップであると強調しました。
これからの日本市場では、持続可能な投資が一層広がりを見せることでしょう。FTSE Japan TPI Climate Transitionインデックスに関する詳細は、FTSE Russellの公式サイトを通じてご確認ください。
会社情報
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FTSE Russell
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