忘れ去られたシリアに希望を
シリアが直面している人道危機は、今や国連によって「戦争開始以来、最大の人道危機」と称されるほど深刻です。この危機の要因の一つが、資金の欠乏です。内戦が続いている間に、国際社会の関心は次第に薄れ、支援も減少しています。2023年には、国連が求める人道支援資金のわずか40%しか集まらなかったとのことです。
NPO法人Piece of Syriaは、この状況を打破すべく、1000万円を目標にしたクラウドファンディングを開始しました。彼らの活動は、シリアの教育と文化の保護を通じて、未来を切り開くことを目的としています。特に、教育に対する支援は長期的な視野が求められるため、緊急支援の対象とされにくいのが現実です。しかし、彼らは「支援が不要になり、平和なシリアを皆で訪れる未来」を描いています。
教育の重要性
シリア北部では、長引く内戦と地震の影響で、多くの子供たちが学校に通えない状況が続いています。なんと3人に2人の子どもが、教育を受ける権利を奪われています。このままでは、次世代の文化や教養が失われてしまうことが危惧されます。Piece of Syriaは、これまでシリア国内における幼稚園の運営や、トルコでの難民向け補習校を通じて、教育支援を行ってきました。
新たな挑戦
新たな活動として、文化の保護プロジェクトが進行中です。シリアの無形文化を守るために、地元の考古学者やアーティストと協力し、失われつつある文化遺産を記録し、保存する取り組みを行います。また、デジタル教材を開発し、シリアの人々にその文化を学ぶ機会を提供することも視野に入れています。
平和な未来に向けた意義
物理的な戦争の歯止めだけではなく、文化の保護や教育の支援も、平和な未来の土台を築くためには欠かせません。シリア国内で対立している勢力でも、共通の文化に価値を見いだすことができると考えます。そのため、Piece of Syriaが進めている文化保護活動は、地域間の対話を再開し、共通の未来を築く出発点になると期待されています。
Piece of Syriaは、シリアの人々の声に耳を傾けながら、一方的な支援ではなく、共に活動を作り上げていく精神を持っています。これは、シリアの人々が未来に希望を持つための重要な要素となります。
週末イベントのご案内
9月13日には、Piece of Syriaのキックオフイベントが開催されます。過去の活動成果や今後の目標について、活動の裏方を担うスタッフと共にお話しする機会も設けています。また、シリアの文化や情勢に関するイベントも予定しており、多くの方々に参加していただきたいと思っています。
戦争や困難を経験しているシリアの人々に、今こそ希望の光を届けるために、ぜひあなたの手で彼らの支援に加わってください。未来のシリアのために、一緒に立ち上がりましょう。