地震痕跡データセットの公開について
日本全国における発掘調査の成果を用いて、未曾有の大規模地震の痕跡データセットがついに公開されることになりました。このデータセットは、2025年1月24日から利用可能になります。発掘調査によって確認された地震痕跡を「全国遺跡報告総覧」から抽出し、131,972件の報告書を精査した結果、1,670件の地震痕跡情報が抽出されました。
従来、遺跡情報に関するデータは報告書からの機械的な抽出や、図表の解析に基づくものが主でした。しかし、この方法では情報が限られ、特に報告書が機械可読な形式になっている場合にのみ利用が可能でした。これに対し、発表されたデータセットは、従来を超える質と量を持つ新たな情報源として位置づけられています。
このデータセットは、位置情報(緯度、経度)を含むCSV形式で提供されるため、多様な地理情報システムとの連携が可能です。たとえば、「歴史災害痕跡データベース」との統合により、地震痕跡を単なる記載情報ではなく、実際の過去の災害の分布を可視化し、地質情報との相関関係を把握するツールとなるでしょう。
この研究は、国の文化財保護の一環として、過去の災害リスクを理解し、未来の防災対策に生かすことを目的としています。地震や他の自然災害に対する備えを強化するためにも、このデータを利用することが期待されています。
具体的なデータ利用の方法については、公開日当日の1月24日以降に詳細URLが追記されます。興味のある方は、「全国遺跡報告総覧」のオンラインリソースをぜひチェックしてください。この取り組みが、日本全国の防災研究に寄与することが期待されています。
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さらに詳細な情報や質問については、奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡調査技術研究室までご連絡ください。電話番号は0742-30-6848、またはメールでの問い合わせも受け付けております。
このようにして、新たに公開されるデータセットは、過去の地震を振り返りながら、将来に向けた安全な社会作りへの一助となることを目指しています。