出社回帰とフレキシブルオフィス：経営者と従業員の意識の乖離を解明する

出社回帰とフレキシブルオフィスの意識調査

株式会社キャリアインデックスが運営するシェアオフィス検索サービス「JUST FIT OFFICE」が実施した調査によると、出社回帰に対する経営者と従業員の意識の違いが浮き彫りになりました。本調査は、2025年9月から10月にかけて行われ、129件の回答が得られました。

調査結果の概要

経営者の意識

調査に参加した経営者の57%が「出社を推進している」と回答しています。出社回帰を推進する理由としては、「コミュニケーション促進」が48%、「生産性の向上」が44%とされています。さらに、27%の経営者は1年前と比較して出社率が増加したと報告しています。今後1〜2年の出社方針についても、74%が「現状維持」または「増やす」と回答しています。

自由回答からは、「リアルなコミュニケーションが生産的だ」という意見や、「従業員の柔軟性を維持することで生産性向上につながる」との声が寄せられました。

従業員の意識

一方、従業員の98%が何らかの形で出社を行っており、43%が出社の推進に賛成という状況です。しかし、出社回帰が進むことで生産性が「向上する」と思う人は54%に対し、「低下する」と感じる人は10%に留まっています。また、出社による主なメリットとして、92%が「チームメンバーとのコミュニケーションが増加する」と答えています。

それに対して、出社回帰によるワークライフバランスの変化については、46%が「悪化する」と感じている点が懸念されます。特に、通勤の負担や外食コストの増加がデメリットとして挙げられています。

フレキシブルオフィスの需要

調査の結果によれば、85%の従業員がフレキシブルオフィスの活用に前向きです。これにより、自宅での作業効率の限界を感じている人が多いことが示唆されています。多くの人が「条件次第で利用したい」と答えたことからも、フレキシブルオフィスに対する需要は高いといえます。

企業に求められる対応

「JUST FIT OFFICE」の運営事務局は、出社回帰を進める企業には、従業員の働きやすさを支援する制度設計が不可欠であると指摘します。例えば、フレックスタイム制度や食事補助、集中できる環境の提供など、従業員の意見を反映した制度の設計が求められています。また、出社回帰に対する明確な理由やガイドラインの整備も必要です。